稼げない? タクシー利用率、日本一の沖縄で…運転手不足の背景とは

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県内法人タクシー運転手数の推移

 県民1人当たりのタクシー平均利用回数は年間32.4回と全国最多である一方、県内の法人タクシーは運転手不足のため4台に1台が稼働していないことが全国ハイヤー・タクシー連合会のまとめで分かった。沖縄を訪れる観光客の増加でタクシー需要が高まっており、各社はあの手この手で人材確保に力を入れる。(社会部・西倉悟朗)

 全国連によると、2016年度1人当たりの年間利用は沖縄32.4回で、2位の東京都25.4回より7回多い。全国平均は11.5回だった。

 また、県内17年度の法人タクシー実働率は75.8%。法人タクシーの車両数は3498台で運転手は6767人だった。

 県ハイヤー・タクシー協会は、沖縄に電車がないことや初乗り料金(550円)が全国に比べて安いことが平均利用回数を押し上げていると分析する。

 一方、運転手不足について県協会の津波古修事務局長は「昼勤、夜勤、休みなどを考慮し、余裕を持って営業するためには車両の3倍、約1万500人の運転手が必要だ」とみる。約3700人が不足している計算だ。

 東江一成会長は「タクシー運転手という働き方が若い世代や女性に定着しておらず、労働力が他産業に流れている」と説明。県内法人タクシーの運転手に占める女性の割合は2.7%(17年度)にとどまり、「女性も働きやすい職場環境整備が重要だ」と強調する。

 運転手を確保するために沖東交通(東江一成社長)や沖縄第一交通グループ(稲益強社長)は2種免許取得費用を全額負担するほか、社員専用の託児所を設けて若手や子育て世代が働きやすい環境整備を進めている。

 第一交通では昨年、女性運転手が集まり、労働環境について話し合う「女子会」を企画した。女性専用の休憩室やトイレ増設のほか、車内のドライブレコーダー設置など安全対策の強化が提案された。

 沖東交通は、法人で10年働いた後に資格を取得して個人タクシーを持つまでを描いた漫画を作成した。東江社長は「優良な運転手を育て、後に個人の運転手を輩出することが企業価値を高め、若手の確保にもつながる」と話す。

 県個人タクシー事業協同組合の義永勉理事長は「『タクシー運転手は稼げない』『男社会』といったイメージがあるが、努力次第で稼げるし、働く時間帯が選べて融通も利く仕事だ」と魅力を掲げる。「法人と個人で連携してこれまでの業界イメージを払拭(ふっしょく)することが重要だ」と話した。

 

沖東交通が作成した法人タクシーでキャリアを積むことを提案する漫画