杵築、打線爆発10得点 主導権渡さず【大分県】

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【杵築―三隈】5回裏杵築2死一、二塁、吉岩が右越え適時打を放って決着
「しっかりと修正して臨む」と話す杵築の伊藤弘明監督
先発で力投する三隈の梶原凌主将

【評】序盤から得点を重ねた杵築が三隈を突き放し、大勝発進した。

 杵築は初回、岩根の三塁打を起点に吉岩、鬼塚の適時打で2点を先制。二回に3点、三回にも2点、五回には吉岩の適時打などで3点を加えて、試合を決めた。投げては大城、萩原の継投で相手反撃を抑えた。

 三隈は少ない好機をものにしたかったが、本塁が遠かった。

 ▽1回戦

三隈 000 00 |0

杵築 232 03x|10

(5回コールド)

 杵築打線が緊張の初戦で快音を響かせた。5回11安打10得点と猛打で大勝発進を決め、岩根翔主将(3年)は「緊張も大きかったが、まず一つ勝てた」と声を弾ませた。

 序盤に主導権をたぐり寄せた。初回、「少し上がり過ぎたがラッキーだった」という岩根主将の打球は風に乗り、中越え三塁打に。1死後、吉岩佑馬(同)が「実感がつかみづらい初戦で頼れるのは培ったものだけ」と、練習通りに鋭く右前に運んで先制。さらに鬼塚緑風(同)の中前適時打で1点を加えた。

 二回以降も攻撃の手を緩めなかった。走者が出れば足を使い、打線もうまくつながった。好機に勝負強くはじき返し、三回までにリードを7点に広げた。四回こそ相手2番手投手への対応が遅れて無得点に終わったが、五回に再び猛攻。最後は吉岩の、この回3点目となるサヨナラ右越え打で勝負を決めた。

 次は第1シードの大分戦。主砲の吹上奨(同)は「初球の甘い球を見逃す場面が多かった。でも次は絶対通用しない。好球必打で打ち勝ちたい」と力を込めた。

〇さらなる奮起促す

 大勝で最高の滑り出しを決めた杵築。だが試合後の伊藤弘明監督の表情は厳しかった。「硬い。守りに入っていた」。狙い球ではないボールの打ち損じ、走塁の甘さなどを指摘し、選手たちにさらなる奮起を促した。

 前日の6日まで模試や期末考査などで2週間ほどまともに練習ができなかった。それでも一部の道具をグラウンドに出したままにするなど、できるだけ練習時間の確保に努めてきた。

 やるべきことをやってきただけに、「緊張で普段の動きができなかったことが悔しい」。次の第1シード大分戦に向け、「負けを恐れて野球はできない。しっかりと修正して臨む」と誓った。

〇三隈、本塁遠く

 「得点できていれば…」。三隈の黒川憲人監督は初回の逸機を残念そうに振り返った。

 先頭の小野峻平(2年)が安打出塁し、犠打で1死二塁。だが後続の鋭い当たりが野手の正面に飛ぶなどして無得点に。

 勢いに乗り切れず、序盤に7失点。得点も遠く、五回1死二塁で園田陸(3年)がうまく中前に運んだが、相手好捕に阻まれた。

 無念の初戦敗退となったが、梶原凌主将(同)とチームを引っ張った園田は「開幕戦で思いきりプレーできた」と話した。

〇三隈主将の梶原凌「全力出し切った」

 単独チームで臨んだ夏の大会。念願の初戦突破はならなかったが、部員13人をまとめてきた主将は「やれることをやろうと思い、全力を出し切った」と、すがすがしい表情で汗を拭った。

 故障の2年生エースに代わって先発のマウンドへ。「杵築は打力があるので厳しいコースを突こうと力が入ってしまった」と失点を悔やんだ。それでも三回途中から定位置の捕手としてマスクをかぶり、継投した小野峻平(2年)を好リード。ピンチの場面をしのぐと、四回は中軸打線を三者凡退に抑える意地を見せた。

 4月まで連合チームで出場。今春に1年生7人が入部したため単独チームで臨むことができた。「今日の悔しい経験を生かし練習してもらいたい」。試合後、後輩11人に果たせなかった勝利の実現を託した。