やはりメーターの進化が無灯火走行の一因!?
最近、無灯火車とよくすれ違うのが気になっている。いや、真っ暗な夜道でのことではない。そもそも周りが真っ暗だったら無灯火では走れないし、それでも走っているなら犯罪絡みか怪奇現象のたぐいだ。いや、そうではなくて、今回は一般的な街中でのお話。この数年間で、無灯火のクルマが増えているようで、それがずっと気になっているのだ。
いうまでもなく、日没後に灯火類を点けないで運転するのは交通違反だ。免許は1点減点になるし、罰金も取られる。それでも無灯火が目につくのは、やはり“うっかり”や“思い込み”での運転が増えていると考えるのが筋だろう。
では、うっかりや思い込みを増やす要因は何か?
街全体が明るくなったことも原因のひとつか
そしてもうひとつは、LED照明の急速な普及だ。従来の照明よりも数段明るい、LED照明は、都市の夜を年々明るいものにしている。東京や大阪のような大都市では、夜の繁華街を無灯火で走り回ることも、今では決して難しくない。
都市が明るくなったのには、地域の防犯対策の意味もある。また色々な駐車場の照明が明るくなったことも大きいと思う。身近なところで、コンビニエンスストアの駐車場などは、隅にいる人の顔までが分かるほど明るく照らされていて、本当に視界良好。明るさで犯罪を遠ざけているのだ。
さらに最新のショッピングモールなども、広い立体駐車場が奥まで見渡せるほど明るく、外を見なければ昼夜が分からないくらいだ。これらが大きな国道沿いに建っていたりすると、駐車場から国道に、そのまま無灯火で出てしまっても不思議ではない。実際、アナログメーターユーザーのボクでも、あるショッピングモールで「おっと!」となった経験がある。無灯火などの比較的軽い違反では、運転者の交通認識の甘さがいわれるが、クルマが複雑になり夜が明るくなった今では、すべてその通りともいえないだろう。
とはいえ、自分がよく見えているからまだ大丈夫というのは大きな間違いだ。クルマの灯火類は、行く先を照らし出すためだけのものではない。対向車や通行人に自分の存在を伝える役割も、同じくらい大きいのだ。無灯火運転で危険なのは、ドライバー本人以上に、すれ違うクルマや道を歩く人であることを忘れないでおきたい。
[筆者:永田 トモオ]