ローマ法王来崎で「核廃絶訴え期待」 高見大司教、核禁条約2年で講演

ローマ法王の核兵器に対する考え方を語る高見大司教=長崎市岡町、長崎被災協地下講堂

 核兵器禁止条約の国連採択2周年を記念した講演会が7日、長崎市内で開かれた。カトリック長崎大司教区の高見三明大司教は、11月に来崎予定のローマ法王フランシスコが、長崎から核廃絶のメッセージを発信することに「大いに期待したい」と語った。
 高見大司教は講演で、核兵器に対するフランシスコの考え方を解説。原爆投下に関し「長い歳月が経過しても恐怖と嫌悪感をかき立てる」と語ったことや、「核兵器は見せ掛けの安全保障を生むだけだ。核兵器の使用と威嚇だけでなく、保有も断固として非難されなければならない」という言葉を紹介した。
 講演会は「『ヒバクシャ国際署名』をすすめる県民の会」と県宗教者懇話会が共催。約90人が参加した。県民の会の田中重光共同代表は「核と人間は共存できないという法王の考えは私たちと一緒。目標とする50万人の国際署名を集め、被爆地の責任を果たしたい」と語った。
 条約は50カ国・地域が批准すれば90日後に発効する。県民の会によると、4月現在で70カ国・地域が署名し、23カ国・地域が批准済み。

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