「すべての登場人物よメロディに降って来い!」 映画『いちごの唄』舞台挨拶に岡田惠和×銀杏BOYZ 峯田和伸が登壇!

映画『雪の華』やNHK連続テレビ小説「ひよっこ」で知られる脚本家・岡田惠和と銀杏BOYZ 峯田和伸が紡いだ青春小説を原作とした映画『いちごの唄』。7月5日(金)より全国公開となった本作の舞台挨拶を、7月7日(日)に名古屋・京都・大阪で開催。主演の古舘佑太郎と、原作・主題歌・音楽を手がけ、本編に出演もしている峯田和伸が登壇した。

名古屋、京都、大阪と三都市弾丸の舞台挨拶を行った二人。最後の舞台挨拶は、大阪のなんばパークスシネマで行われた。舞台挨拶が始まると古舘は「撮影は去年の夏でした。あれから一年たって、物語の設定である七夕の日に皆さんに会えてとても嬉しいです。」と挨拶。峯田は「岡田惠和さんと3年前に企画したものが、小説になって遂に映画になりました。やっと観て貰えると思うと嬉しいです。」と原作者としての思いを語った。

大阪の印象は? と聞かれると、古舘は「ライブで知らない曲を演奏しても盛り上がってくれるお客さんが多いイメージです!」、峯田は「昔ライブをした時に騒ぎを起こしてしまい、初めてスポーツ新聞の一面に名前が載った地です(笑)」と続け、ミュージシャンとしても何度も訪れている二人ならではのエピソードが明かされた。

本作は、公開して以来SNSで「近年稀に見る爽快なラブストーリー」「号泣してしまった」「こんな恋がしてみたい」「鳥肌が立つほど感動した」などの口コミが上がっており、古舘が演じた主人公コウタについては「ヤバいくらい不器用で純粋で、最後には愛おしく思える」と評されている。古舘が脚本の印象や撮影時の思いについて尋ねられると、「僕は元々銀杏BOYZが大好きです。僕が思う銀杏BOYZの魅力は、可愛らしさと凶暴性が共存していること。この物語も可愛らしい物語ですが、どこかに狂気があるというか。”ヤバいほど純粋”と言われるほどのキャラクターをどのようにして演じれば良いのかずっと悩みました」と語った。

峯田に主題歌「いちごの唄」を制作した時の思いを問われると、2つあると答えた。「1つは、コウタとあーちゃん(=千日)のため。突っ走るコウタと、時間が止まったようなあーちゃんを思い浮かべました。」「もう一つは、岡田惠和さんへの恩返しです。「奇跡の人」「ひよっこ」で僕を起用してくれ、3年もの期間をかけて「いちごの唄」が小説と映画になりました。岡田惠和さんが手がけた作品の、すべての登場人物よメロディに降って来い。そう願って作りました。この曲が出来て岡田さんにメールをしたら、すぐに熱い思いの返信を頂きました。」

舞台挨拶当日の7月7日(日)は、七夕であり、本作の主人公であるコウタ(演:古舘佑太郎)と千日/あーちゃん(演:石橋静河)が年に一度だけ会う約束をする日。物語の設定と七夕にちなみ、「七夕特別企画」として、twitterで舞台挨拶の参加者から「古舘と峯田に叶えてほしいこと」を公募。各地の舞台上で二人が叶えるという企画も実施した。

名古屋では、76歳の銀杏BOYZの大ファンだという女性の観客が「ハグしてほしい」と娘のtwitterで願いを投稿。ステージで峯田、古舘とガッチリとハグ。

京都では、当日行われる競馬レース「七夕賞」の予想をしてくれという願いが。競馬の経験がない二人だったが、「いちごの唄で1-5」(古舘)、「twitterでこんなお願いも来ていると聞いてさっきスポーツ新聞を読みました。4-10」(峯田)と予想するも…結果はハズレで苦笑いする結果に。

大阪では、銀杏BOYZのファンであることをきっかけに3週間後に結婚するという男女のカップルの願いが選ばれた。祝って欲しいとステージに上がった二人は、峯田も顔見知りであるファンという展開にびっくり!女性が「ハグしてほしい」と希望し峯田とハグを交わし、男性からは「キスしてほしい」とまさかのリクエストが飛び出すが、峯田はそれにしっかり応え、ステージ上でキスを交わした。

舞台挨拶の最後には、古舘は「僕は、完成したこの映画を観た時に、15歳の頃の初恋の相手を思い出しました。この映画は青春をしている人、これからする人、かつてした人皆に通じる普遍的なものが詰まっていると思います。観たら好きだった人を思い出して、友達と語り合って欲しいです。」と思いを込めた。

峯田は主題歌「いちごの唄」の歌詞に触れて、「”夏の終わりのプールサイドで あなたはウィンクして”という歌詞があります。これは、僕が高校の3年間片想いしていた人のエピソードです。僕はコウタのように突っ走ることができなくて、違うクラスの彼女を遠くで見ているだけでした。でも、ある夏の日、水泳の授業だったのか体育祭だったのか。その人が学校のプールサイドにいて、脚だけを水に浸からせて、僕を向いてウィンクをしてくれました。もしかしたら、水が目に入ってウィンクしたように見えただけかもしれません。でも、僕はあの一瞬を糧に生きていくことができました。映画や音楽を愛する人は、そういう一瞬を大事に生きている人なのだと思います。この映画も、皆さんの大事なものになったら嬉しいです。」と語り、盛況のうちに舞台挨拶は終了した。

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