KLMオランダ航空、航空業界や旅行者に「責任ある航空旅行」呼びかけ

KLMオランダ航空は創立100周年を前に、「Fly Responsibly‐フライ・レスポンシブリー(責任ある航空旅行)」という、持続可能な航空旅行を呼びかけるキャンペーンを開始した。航空業界の関係者や旅行者に持続可能な航空旅行を選ぶほか、飛行機の代わりに電車を利用することを呼びかけている。同社は、航空業界全体と個人旅行者を巻き込み、よりサステナブルな航空産業の未来をつくっていく計画だ。(翻訳=梅原洋陽)

ニューヨークタイムズやガーディアン、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングなどを含む、米国や英国、ブラジル、オランダ、北欧、ドイツなどの大手新聞も一斉にKLMの「Fly Responsibly」について報じた。

KLMは同キャンペーンが気候変動防止につながる万全策とは言わないまでも、全てのキープレイヤーが一丸となって取り組むことが重要だと考えている。同イニシアティブは、サステナビリティの取り組みを前進させ、新たな解決策を見つけるために、同業他社や旅行者を含む、航空業界の全てのステークホルダに呼びかけを行うものだ。

KLMのCEOピター・エルバース氏は、キャンペーン動画を通して、「毎回、直接会わないと行けませんか」「代わりに電車を使用できませんか」「荷物を減らしてC02排出量を減らせませんか」など複数の質問を投げかけている。

https://youtu.be/L4htp2xxhto

サイトでは、KLMの取り組みの効果が最大限発揮されるよう、旅行者が航空両行を選択する前に他の選択肢も考えることを促すことを目的としている。このイニシティブは、KLMの長年のクリエティブ・パートナー DDB Unlimitedと共に開発され、展開されている。

「航空産業の持続可能な発展は、一社だけの関心事ではありません。実際に成果を上げて行くには、業界全体で動いて行くことが必要です。そのため、このイニシアティブでは他の企業に私たちが構築してきたCO2ゼロカーボンオフセットプログラムを無料で、KLMのブランド名を出さずに使用していただけます。また、バイオ燃料プログラムのパートナーにもなっていただけたらと考えています」とエルバース氏はいう。

航空業界が排出するCO2排出量は、地球全体で人間が排出する量の2-3%に相当する。航空旅行の需要が高まるほど、この数値も上がって行く。

KLMは重量削減やリサイクル、カーボンオフセットに努めることで持続可能性への取り組みはかなり前進していると伝えている。エールフランス-KLMグループは、DJSIの格付けで過去14年間1位をとり続けている。しかし、業界の1社のみの取り組みでは十分ではない。

世界規模で、業界に連携を呼びかけ

地球規模でサステナビリティに関する取り組みを進めて行くには、業界間の連携が欠かせない。KLMは航空業界で初めてサステナブルな燃料工場をヨーロッパに設立しただけでなく、サステナビリティに関するさまざまな先進事例やツールをライバル企業と共有することにも積極的に取り組んでいる。さらなる一歩として、最適な航路など、知識の共有や、CO2ゼロカーボンオフセットプログラムを、無料でライバル航空会社に提供もしている。

https://youtu.be/A_jc-Foiuhk

「KLMは持続可能な燃料を航空機に使用していくことを重視しています。私たちのビジョンをこのFly Responsiblyというプラットフォームを通して展開していくことに大きな意義を感じています。これはキャンペーンではなく、変化を目指す長期的なイニシアティブです。先陣を切り、KLMと共にサステナブルな航空旅行を推進できることを誇りに感じています」とDDB Unlimited専務取締役の、エステル・テパス氏はいう。

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