観光で障害者就労増を 長崎のパン屋 「発祥の地」に新店舗

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「日本のパン発祥の地」周辺で新店舗を構えた西島さん=長崎市

 障害者を積極的に雇用している長崎市内のパン屋が8日、新しい工房兼店舗を長崎市元船町にオープンした。「日本のパン発祥の地」を意識した商品や店舗外装で観光客を呼び込み、より多くの障害者が働ける場を確保しようとしている。

 合同会社「スローフードファクトリー長崎あぐりの丘」は、就労継続支援A型事業所として従業員14人中6人が障害者。長崎市内4カ所で「石窯工房AGRI」を展開し、このうち「あぐりの丘」(長崎市四杖町)内にあった生産拠点を元船町へ移した。

 A型事業所の運営は資金的に苦しく、長崎市内でも少ない。人口減少による経済の低迷や障害者の就労難という地元の課題に対し、オーナーの西島直孝さん(46)は「名所をつくり観光人口を増やせないか」と考えた。

 同社は江戸時代のパンを再現した「出島パン」を販売している。新店舗は、鎖国下でパン製造を唯一認められ、出島に納めた業者がいたとされる場所の周辺に構えた。当時の洋風建築をモチーフに格子状の装飾を外観に施した。名称は「ベッカライ・ナガサキ」。ベッカライはドイツ語でパン屋を意味する。

 ベーカリーカフェとしてモーニング(390円)はパニーニサンド、ランチ(800円)は辛口の黒カレーを店内で楽しめる。アルコール類も提供する。

 運用資金をクラウドファンディングサイト「FAAVO(ファーボ)長崎」で募る予定。西島さんは「観光客が増え、障害者の働く場所も増えるように支援をお願いしたい」と呼び掛けている。