信頼性が確立され出力増強を図るホンダPU。「次のステップは予選モードの改善」

 ホンダが現在進めているF1パワーユニット(PU/エンジン)開発において、ライバルに近づけるように予選モードの改善がすぐにも行われるという。

 F1第8戦フランスGPで導入されたアップデート版ICE(内燃機関)とターボエレメントを装備したスペック3に見られるように、ホンダは揺るぎない進歩を継続している。そして第9戦オーストリアGPでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンによって、ホンダにとってハイブリッド時代における初勝利がもたらされた。

 ついに信頼性が確立されたことで、ホンダはパワーユニット出力の増強に焦点を置いてはいるが、パワーのレベルではメルセデスとフェラーリにはまだ及ばない。

「エンジンをできる限り駆使しようとしています」とホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは『Motosport.com』に語った。

「すぐに性能を上げるのは簡単なことではありません。しかし我々は開発を継続しており、次のスペックアップデートでは達成できるかもしれません。しかし、それは次のレースでということではないです」

 ホンダはユニット全体の改善に取り組む一方で、次のステップのひとつとして予選モードの向上を目指している。

「予選で他チームと比べて大きな差があることは分かっています。レースでも我々は遅れをとっていますが、予選ほどではありません」

「つまり向上させる必要のある次のステップは予選モードになるのですが、これは簡単なことではありません」

 レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは最近、たとえより多くのリスクを取ることになっても、ホンダが開発を強化することを強く望んでいると語っている。

「エンジンの信頼性は素晴らしく高い。トラブルがないのだ」とマルコは語った。

「ホンダが我々に約束したことはすべて果たされている。だが我々のこれまでのアップデートは、メルセデスやフェラーリのものほどの成果が出なかった」

「この先、我々は多少のリスクを冒してでも、パワーの増強を望みたい」

「より強力なエンジンで、グリッド後方からスタートする方がいい。なぜならマックスが後方からスタートすると、スリリングなグランプリになることが保証されるからね」

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