ホームラン・ダービーはメッツの新人・アロンゾが優勝!

日本時間7月9日、インディアンスの本拠地プログレッシブ・フィールドでホームラン・ダービーが行われ、前半戦30本塁打を放ったメッツの新人スラッガー、ピート・アロンゾが1回戦でカルロス・サンタナ(インディアンス)、準決勝でロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)、決勝でブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)を破り、初優勝を果たした。合計本塁打数ではゲレーロとジョク・ピーダーソン(ドジャース)に後れを取ったものの、着実に本塁打を積み重ね、「ボーナスタイム」を一度も使わずにホームラン・ダービーを制した。

1回戦では、まずピーダーソンとアレックス・ブレグマン(アストロズ)が対戦。ピーダーソンは21本塁打を放ち、現行ルールとなって以降の1回戦新記録を樹立して16本に終わったブレグマンを破った。次の試合では、ゲレーロJr.が大暴れ。ピーダーソンの記録をあっさり更新し、現行ルールに限らず、ホームラン・ダービー史上の1ラウンド新記録となる29本塁打を放ち、13本に終わったマット・チャップマン(アスレチックス)に勝利した。3試合目では、アクーニャJr.が25本塁打を放ち、18本どまりだったジョシュ・ベル(パイレーツ)に勝利。4試合目では、「ご当地選手」のサンタナが13本塁打を放ったあと、後攻のアロンゾが14本目を放った時点で勝利を決めた。

準決勝では、ゲレーロJr.とピーダーソンが壮絶な戦いを繰り広げ、先攻のゲレーロJr.が29本塁打を放ったあと、ピーダーソンも29本のアーチを架けてタイブレークに突入。90秒の第1タイブレークで8本ずつの同点となり、3スイング勝負の第2対ブレークでも1本ずつで決着がつかず、同じく3スイング勝負の第3タイブレークでゲレーロJr.が2本放ったのに対してピーダーソンは1本に終わり、ゲレーロJr.の決勝進出が決まった。なお、ゲレーロJr.の1ラウンド合計40本は新記録。2ラウンド合計で69本となり、この時点でジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)がマーリンズ時代の2016年にマークした61本の大会記録を塗り替えた。準決勝のもう1試合では、アクーニャJr.が19本塁打を放ったあと、アロンゾが20本目を放った時点で勝利。決勝戦はゲレーロJr.とアロンゾによる今季デビューの新人対決となった。

そして決勝戦は、先攻のゲレーロJr.が22本塁打を記録。これで今大会合計91本となり、スタントンの従来の記録を30本も上回った。後攻のアロンゾは着実に本塁打を積み重ね、18秒を残して23本目のアーチ。440フィート以上のアーチを2本放つと得られる30秒の「ボーナスタイム」を一度も使わず、優勝を決めた。新人選手によるホームラン・ダービー制覇は、2017年のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)に次いでアロンゾが史上2人目。また、メッツの選手がホームラン・ダービーを制するのは、1986年に同時優勝となったダリル・ストロベリーに次いでこちらも史上2人目となった。惜しくも準優勝に終わったゲレーロJr.は、史上初の「親子優勝」はならず。しかし、アロンゾ以上に強烈なインパクトを残し、準決勝でのピーダーソンとの「死闘」は永く語り継がれることになるだろう。

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