【比較検証】No more 背中びっしょり! 汗っかきの救世主『背面メッシュ』のザック集めました 「登山の度に、背中が汗でびしょびしょになってしまう!」そんな人におすすめの『背面メッシュ』のザックを特集。フレームの形やパッドの形状など、各メーカーが工夫をこらして開発している“背中の蒸れを軽減するシステム”を詳しくご紹介します。とはいえ、「メッシュだと本当に蒸れないの?」という疑問もありますよね。そこで今回は、編集部員が背面メッシュの実力を検証!果たして、びっしょり背中とさよならできるのでしょうか!?

ザックまでいつも汗でびしょびしょ…登山時の背中の蒸れ、どうしてる?

ザックを背負うと、どうしても背中が蒸れる! 服もザックもびしょびしょで、歩いている最中はもちろん、ザックを背負い直すときなんて本当に不快ですよね。

どんなに速乾性のあるシャツを着ても、ザックと背中がくっついているとどうしても蒸れてしまいます。この問題…何とかならないのでしょうか?

ザックと背中に隙間をつくる“背面通気システム”が気になる~!

(マムートのCONTACT STREAMサスペンションシステム)

調べてみると、背中とザックに隙間があったり、背中部分がメッシュになっているなど、蒸れにくい工夫をこらした背面通気システムを搭載したザックが各メーカーにありました! 実際の背負い心地や通気性が気になるところ。

編集部 荻原

ねぇ大迫くん、背面がメッシュのザックを持ってたよね? 背中が汗びっしょりになりにくいザックを探してるんだけど、あれってどうなの?

編集部 大迫

僕の持ってるモデル(グレゴリーのズール35)は、背面メッシュやからザックと背中の間に空間があってめっちゃ快適ですよ。

編集部 荻原

そんなに快適なの? 本当に?? 奥さんに内緒で買ったのがバレて怒られたから、「いい買い物だった」って思いたいだけじゃなくて???

編集部 大迫

ほんまですよ!そないに疑うなら、背面メッシュザックの実力を検証してみましょ。

編集部 大迫

なんで怒られたこと知っとるんや…

背中に“隙間”があると本当に蒸れにくい? パッドタイプのザックと比較検証してみた!

背面通気システムの実力を試すべく、[左]背面パッドタイプのザック30Lと[右]背面通気システム搭載のメッシュタイプのザック35Lを比較検証してみることに。

検証方法&条件

900mlのペットボトル10本を入れた状態で背負い、階段の昇降を続けます。5分経過した時点での背中の汗のかき具合をチェック。

それぞれの汗の量が分かりやすいように、全く同じグレーのTシャツを着用して行います。

それでは、検証スタート!

まずは、パッドタイプのザックを背負って走る、ひたすら走る。

いい走りっぷりですね。

5分が経過し終了。まだまだ余裕そうな表情を浮かべていますが、どのくらい背中に汗をかいているのでしょうか? 結果は後ほど。

30分ほど体を休めたあと、続いては、メッシュタイプのザックを背負って階段ダッシュ! こちらも5分間走り切りました。

それでは、気になる背中の状態をチェックしてみましょう!

違いは一目瞭然!

[左]の背面パッドタイプを背負って走った後の背中は、Tシャツの色が変わっている通り、たった5分間でも汗びっしょり。一方、[右]の背面メッシュタイプは、薄っすらと汗をかいてはいるものの、Tシャツに沁み込むほどではありませんでした。

編集部 荻原

実際に背負って走ってみて、それぞれ背中の感じはどうだった?

編集部 大迫

背面パッドのザックは、動いているうちに肩、腰、背骨のラインに体から出た熱がこもってくる感じでした。特に肩甲骨周りは熱がこもって暑かったし、途中から濡れてる感触もあってめっちゃ気持ち悪かったです。

(背面パッドタイプは、背中とザックが密着)

編集部 大迫

撥水インナーとか着れば多少気にならへんかもしれないですけど、長時間あの感覚がつきまとうと思うと少し気が重いですね。

編集部 荻原

背中に密着してたら、そりゃ蒸れるよね。

編集部 大迫

ただ、背中とザックの隙間がないから、身体へのフィット感が良いというか、重心が身体に近い感覚がありました。背面メッシュと比べて荷物が軽く感じるというほどの感覚ではなかったですけど。

(背面メッシュタイプは、背中とザックの間に隙間あり。)

編集部 大迫

背面メッシュのザックも、だんだん身体が熱くなってじわっと汗をかく感覚は同じですね。でも、熱がこもる感じはなかったです。腰や肩のザックが体に密着してる部分は、背面パッドと同じように熱はこもりましたね。

編集部 荻原

「メッシュだから涼しい!」というわけじゃなくて、背中の熱がこもりにくいってことなんだね!

(余裕の表情を見せていたはずが…。親知らずを抜いて前週までドクターストップ中だった編集部大迫は、久々の運動で撃沈。)

【まとめ】背面メッシュタイプなら、汗による不快感を軽減できる!
【背面パッドタイプ】クッション性や身体へのフィット感が高く、背負いやすい反面、ザックと身体が密着している部分が多く、熱がこもりやすい。汗がTシャツに沁み込んだら、なかなか乾かない。
【背面メッシュタイプ】
背中とザックの間に隙間があることで、通気性が良く熱がこもりにくい。汗の逃げ場があるため、Tシャツが汗びっしょりになりにくい。

では、『背面通気システム』を搭載した“背中が蒸れにくいザック”には、どんな種類があるのでしょうか?

こだわりの『背面通気システム』を攻略!蒸れ知らずのおすすめザック大集合

蒸れにくい『背面通気システム』を搭載したおすすめのザックを、各メーカーのこだわりの機能とともにご紹介します。

<グレゴリー> ズール30

背面機能:フリー・フロート
フリー・フロート・サスペンションは、背面長が調節可能で、フレームにテンションをかけることで通気性を高めたバックパネルを使用しています。動きに合わせてヒップ・ベルトが旋回し、腰回りにスムーズにフィットして浮き上がるような感覚をもたらします。

スタイリッシュなデザインが印象的。携帯電話やサングラス、コンパクトカメラなどを収納できるポケットが付いているので、通勤からアウトドア、トレッキングまで幅広く使えます。30Lの他、35、40、55Lを展開

背面機能:トレイルフレックス・サスペンション
背面は素早く調節できるので、毎回完璧なフィット感を得られるシステム。より空気の流れを増加し、涼しく快適に行動できます。ねじり柔軟性のあるデザインで、安定的な荷重移動をもたらし、エネルギー消費を抑えます。

流線型のデザインが目を引く、小屋泊にちょうど良いサイズ。寝袋を入れるスペースも十分にあります。背面のメッシュポケットはアクセスしやすく、素早く物を出し入れすることが可能。45Lの他に、30、35、65Lもあります。

<グレゴリー> バルトロ65

背面機能:レスポンスA3・サスペンション
ヒップベルトとショ ルダーハーネスをそれぞれカスタマイズして独立して回転させることができるので、さまざまな動きにも適応。安定したフィット感を提供します。通気性メッシュに包まれた換気構造フォームのバックパネルにより、背中にザックを密着させても空気の流れを得られ、快適に歩行できます。

テント泊におすすめのバルトロ65。通気性の良い背面システムで夏も冬も快適に歩行できます。柔らかで滑りにくいシリコンのパッドにより、ヒップベルトを正しい位置で保つことができ、安定した背負い心地。他に、75、85L、レディースモデルのディバ60、70、80Lもラインナップしています。

背面機能:エアコンフォートシステム
人間工学的に設計し腰をつかむようにフィットするシステム。背面には高い通気性のあるメッシュ素材やストレッチ素材を含め4種類以上の素材を使用しています。

日帰りハイキングの他、行程が長めのトレッキングに適したザック。荷物を積めると腰に荷重が伝達し、まるでザックが体の一部になったように快適です。二気室構造ですが、ジッパー式の仕切りで一気室のように使うことも可能。30Lの他、24、26、28、34Lも展開しています。

背面機能:アンチグラビティサスペンション
頑丈に吊られたショルダーベルトと背面から、ヒップベルトまでシームレスメッシュでつながった立体構造。パック自体が体にしがみつく様な設計により、荷重をバランスよく分散します。パッドを最小限に抑えることで、メッシュと本体との間に隙間を設け、優れた通気性も確保しています。

2~3泊の登山に適した大型ザック。個人の体型や骨格にあわせて熱成形が可能なヒップベルトにより優れたフィット感が得られ、革新的な通気性で快適に歩行できます。

<タトンカ> スキル30

背面機能:X-ベントゼロシステム
ザックの背面に組まれた「X」型のポールにテンションをかけることで、背中とザックの間に空間を作るシステム。背中とザックの接触部分が少なく高い通気性を確保できます。背面の空間はベルトを引っ張ることで自在に変更可能です。

日帰り登山や寝袋のいらない小屋泊に適したザック。小ぶりながら二気室構造で物を整理しやすく、ファスナーで一気室にすることもできます。タフで軽量な素材で、スピードハイキングにも対応可能です。

<バーグハウス> フリーフロー40

背面機能:フリーフローエアーシステム
荷物の負荷を軽減するため背面フレームの湾曲は最小限にとどめながら、風が通り抜けるような隙間を設け、背中が蒸れることなく快適に背負うことができます。背面調整システムも搭載されているため、フィット感も優れています。

日帰り登山や小屋泊の登山に最適なサイズで、抜群の通気性を誇るバーグハウスを代表するフリーフローシステムを採用しています。さらにショルダーベルトなど体に密着する部分は気孔のあるエバブレスで通気性を高めています。40Lの他に、20、30Lも展開。

<ロウアルパイン> アルタス32

背面機能:Air Contour +キャリーシステム
行動中に汗をかいているときでも優れた通気性と荷重をサポートする、一体成型のメッシュと背面パッドのシステム。人間工学に基づいたヒップベルトと調節可能な背面長によりバランスよくフィットして快適さを提供します。

快適さとフィット感の良さを兼ね備えており、多目的にオールシーズン使えるザックです。サイドから内部にアクセスできるため、旅行などでも活躍。32Lの他、可変する42-47Lもあります。

<マムート> クレオン プロ

背面機能:4 STREAM Butterfly Varioサスペンションシステム
4方向のサイドに通気システムを設けているため通気性を最大限に保ち、左右から上方に空気が抜けて発汗を防ぎます。また、ツイストするButterflyフレームが体の動きにフィットし、上体を自由に動かすことができます。背面の長さは調節可能。

通気性と体の動きにフィットするフレームを設けたハイブリッドツーリングバックパック。体を自由に動かせる構造で、激しく動くような登山にも最適です。30Lの他、40Lもあり。

<マムート> クレオン ガイド

背面機能:CONTACT STREAMサスペンションシステム
ザック本体と離れた背面メッシュにより、上方へ空気の流れを作り出し優れた通気性を確保するとともに、最適な荷重伝達を実現する一体型の金属フレームにより、快適な背負い心地を実現しています。

多くの機能を持ちながら見た目はエレガントでシンプルなザックで、登山から旅行までいつでも持ち歩けます。重い荷物もソフトなパッド入りヒップベルトでしっかりと支え、快適な歩行をサポート。

もう背中びっしょりにはなりません!

(グレゴリー バルトロ95)

各メーカーとも、背中の通気性に特化したシステムを採用しているんですね! しかも、紹介したシステムはどれも背負いやすさやフィット感も兼ね備えていました。ぜひ参考にしていただいて、背中がびしょびしょにならないザックを選びましょう!

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