オープン3日でマツダスタジアム級の集客! エディオン広島本店が地元客に支持される理由

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6月21日に改装オープンしたエディオン広島本店は、エディオンの設立母体の1社である旧デオデオ(創業当時は第一産業、後にダイイチ)が1947年に創業してから72年の歴史を持つ。広島経済の中心地・紙屋町に長年店を構えているだけあって、オープン前に約2300人の行列ができるほど地元客から絶大な支持を得ている。オープンから約2週間後の7月9日に、エディオンの渡辺伸一執行役員広島本店長に話を聞いた。

6月21日に改装オープンしたエディオン広島本店。売場面積は東館(旧本店)が7202平方メートル、西館(旧新館)が7370平方メートル

閉店中の2カ月間も売れていた?

広島本店は老朽化に伴う耐震性能を強化するため、17年4月に二棟あるうち、一方の本館を一時閉店して新館だけで営業していた。オープン前の2カ月は完全閉店状態となったが、渡辺店長は「その間も平日は通常の大型店と同じくらいの売り上げを出していた」と話す。店を閉めているのにモノが売れるとはどういうことか。

実は改装工事中の2カ月間、顧客が馴染みの店員に直接電話をかけるなどして家電製品などを買っていたというのだ。このエピソードからは、顧客が単に家電製品を購入するのではなく、「誰から買いたいか」が重要であることが垣間見える。店員と顧客の間の信頼の深さが伝わる。

エディオンの渡辺伸一執行役員広島本店長

渡辺店長は、広島駅前のエディオン蔦屋家電を17年4月に立ち上げたときの店長でもある。今回のオープンで広島本店長に就任したのだが、「エディオン蔦屋家電とはまた違う、お客様からの期待の大きさや72年の歴史が重みを感じた」と話す。

1階は若い女性客がふらっと入れるように理美容品を展示

通常の店舗のリリースはオープン1週間前に行われるのが同社の「慣わし」だが、広島本店のリリース発表は異例で約1カ月前の5月30日に行われた。これも、「お客様から『いつオープンするのか』という問い合わせが絶えなかったからだ」という。顧客に聞かれたら正直に答えなけばならず、情報はかなり前から解禁されることになった。それだけ期待が大きかったことを示す。

ほかにもオープンに先立つ6月19日、エディオンの得意客を招いた事前内覧会を開催した。この時も平日にも関わらず、エディオン広島本店の約6000人のゴールド会員と呼ばれる得意客のうち、4割の約2400人が来店。入口で挨拶しながら顧客を迎えた渡辺店長は、来店客が口をそろえて「おめでとうございます」と声をかけながら来店するのに驚いたという。しかも、来店客の8割が「ご祝儀」として、何かしらの家電製品を購入していったという。

「感謝」と「つなぐ」

店舗のいたるところに飾られている「感謝」の文字は、まさに広島本店を支え続けてきた顧客への感謝を込めている。ちなみに、この文字は、4人組の人気グループ湘南乃風の筆文字の多くを手掛けることで有名な広島出身の書家・翠蘭氏が書いたもの。

店内にも掲げられている「感謝」の筆文字は書家・翠蘭氏によるもの

渡辺店長は感謝のほかにも、「行動スローガンに『つなぐ』という言葉を掲げている」と明かす。72年の歴史で本店で勤めて地元に暮らすOBも数千人近くに上る。そうした先輩一人ひとりの丁寧な接客が、顧客の満足につながり、広島本店の強固な固定客化につながっている。

それが、これからの後輩にも引き継がれるようにという意味を「つなぐ」という言葉に込めた。もちろん、本店に勤めていたOBも喜んでオープンに駆け付けたという。

結果的に、オープンセールの3日間の来店客数は3万7000人にも及んだ。広島カープの本拠地として賑わっているマツダスタジアムが3万3000人の収容客数というから、3日間でスタジアムを満席にした以上の数の顧客がエディオン広島本店を訪問して買い物したということだ。

オープン10日間では、22万人が来店した。渡辺店長は、以前の本店の集客から試算していた1日当たり5800人という数字を上方修正する必要があると笑顔をみせる。売り場にもほかの都市型店舗とは違う取り組みが随所にみられるが、詳細は後日レポートする。(BCN・細田 立圭志)