マーク・ロンソン『レイト・ナイト・フィーリングス』 豪華ゲストを迎えたコンセプト・アルバム

マーク・ロンソン『レイト・ナイト・フィーリングス』

 ブルーノ・マーズをフィーチャーした2014年のシングル「アップタウン・ファンク」そして昨年の映画『アリー/スター誕生』の主題歌「シャロウ」で共にグラミー賞を獲得、時のDJ/プロデューサーとなったマーク・ロンソン5枚目のアルバムです。

 フィーチャリング・シンガーのエモーションを生かしたダンス・ナンバーがDJとしての彼の制作スタイルでしたが、今回はDJとしてではなくアーティストとしてコンセプチュアルな作品を制作しました。きっかけは17年の女優ジョセフィーヌとの離婚。その悲しみの感情をベースに踊れるビートを備えた曲“サッド・バンガーズ”(切ないアゲ曲)をコンセプトにアルバムを構成したのです。

 そして“切ないビート曲”を歌える素晴らしいシンガーが集合しました。アリシア・キーズ、マイリー・サイラスそして「ハバナ」のヒットでお馴染みのカミラ・カベロ等。いずれも素晴らしいシンガーですが、注目されるのはイェバことアビー・スミスの起用、感情豊かなヴォーカルを聴かせてくれます。

(ソニーミュージック・2200円+税)=北澤孝

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