MHPSと日本特殊陶業 燃料電池で共同出資

 三菱日立パワーシステムズ(MHPS、横浜市)は、自動車部品メーカー大手の日本特殊陶業(NTK、名古屋市)と燃料電池部品を製造・販売する共同出資会社をつくることで合意した。愛知県小牧市に新工場を設け、量産態勢を構築する。燃料電池と小型ガスタービンを組み合わせた複合発電システム「メガミー」を製造するMHPS長崎工場などに供給する。
 対象部品は、都市ガス燃料から水素を取り出し、酸素と反応させて発電する固体酸化物形燃料電池(SOFC)技術のうち、心臓部に当たる「円筒セルスタック」。直径約2センチのセラミックス製セル(単電池)を長さ約1.5メートルに並べた構造をしている。
 燃料電池は、環境負荷が低く、災害時などの分散型電源として産業分野での活用が期待されている。両社は2014年から円筒セルスタック量産に向け業務提携し開発を進めてきた。MHPSが長寿命化と熱の効率利用を図り、NTKのセラミックス量産技術と組み合わせた。
 新会社の名称は検討中。計画によると、出資比率はMHPS30%、NTK70%。資本金3億円。10月から事業を開始する予定。

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