諫干問題 対話の場を 市民有志が県と諫早市に請願書

請願書を提出後、思いを語る古賀さん(中央)ら=県庁

 長崎県諫早市を中心とした市民有志でつくる「諫早湾干拓問題の話し合いの場を求める会」(代表世話人・古賀勝さん、福田憲治さん)は9日、住民同士の対話の場を求める請願書を県に提出した。
 同会は開門の賛否にかかわらず訴訟外で話し合いを進めようと、2016年5月発足。7月5日までに4143人分の署名を集めた。署名活動やアンケートなどで蓄積した住民の声を、請願書に盛り込んだ。
 県諫早湾干拓課へ提出後、古賀さんら同会メンバー3人が県庁で会見。古賀さんは「干拓の利害問題は農業者、漁業者に限らない。干潟の風物詩を大切にして暮らしてきた市民もいるし、事業には多額の税金が使われている。県民一人一人が考える立場にある」と強調した。
 26日、開門を強制しないよう国が漁業者に求めた請求異議訴訟の口頭弁論が最高裁で開かれる。同会の横林和徳事務局長は「和解の方向を目指すという判断になるといい」と述べた。
 同会は8日、諫早市に対しても請願書を提出した。

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