「政権与党との関係大切」 首長の大半 自民候補支持 「中立で」くぎ刺す野党陣営

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 与野党による事実上の一騎打ちが繰り広げられている参院選長崎選挙区(改選数1)。県内の首長の立ち位置を見ると、「政権与党との関係は大切」と大半が自民候補支持だ。過疎地の離島や半島、基地を抱える本県。首長の立ち居振る舞いからは地方の切実な現状も垣間見えるが、野党陣営は「中立であるべきだ」とくぎを刺す。
 5日、佐世保市の島瀬公園であった自民現職、古賀友一郎候補(51)の佐世保地区出陣式。ステージには朝長則男市長のほか、近隣の平戸、松浦、西海、北松佐々、小値賀の各首長が顔をそろえた。
 自衛隊や米軍基地を抱える日米安保の“前線”で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致なども目指す佐世保市。国や政権与党へ陳情する場面も多い。自身も長年、自民議員として“保守本流”の道を歩んできた朝長市長は応援演説で、衆参両院の多数が異なる「ねじれ」が前回参院選で解消されたことを振り返り、「ねじれ現象の時はどこに(陳情に)行けばいいのか右往左往。非常に苦労した」「安定政権を続けてほしい。これが一番肝要だ」と力を込めた。
 佐世保地区に先立ち、東彼地区であった出陣式。「当選してもらわないと日本と県政はとんでもないことになる」(一瀬政太・波佐見町長)、「地方行財政に明るい地方の代弁者」(山口文夫・川棚町長)、「再選して大臣になって」(岡田伊一郎・東彼杵町長)-。言葉には地方が直面する現状への危機感、政権与党への熱視線がにじんだ。
 古賀候補支援は離島の五島市の野口市太郎市長も同じだ。同市は国境離島新法を活用した地域振興を進めており、取材に「政府与党としてずっとご協力をいただいている」「応援演説になるか分からないが、いずれにせよ支援したい」と明言する。
 同じ古賀候補派でも、諫早市の宮本明雄市長は少し事情が異なる。「政権与党でもあり、古賀氏が諫早市出身という点も大きい。古賀さんはもともと官僚で役人特有の雰囲気があったが、変わってきた。だいぶ政治家になった」と持ち上げる。
 一方、自身の選挙で連合長崎など各方面から支援を受けた中村法道知事と長崎市の田上富久市長は旗色を鮮明にしていない。それぞれ「政権与党との関係は地方政治を進める上で大事」として、自民県連の大会などに出席し応援メッセージを述べたが、中村知事は取材に「選挙は県民が判断すること」と述べるにとどめ、田上市長は「中立」のスタンスで臨む考えを示す。
 新人の白川鮎美候補(39)を擁立した国民民主側は、事務所開きや出陣式に首長の出席を要請していない。政権与党寄りの首長が多い現状に、総合選対事務局長の深堀浩県議は「立場上、政権与党側に顔を出すのは仕方ないと思うが、中立であるべきだ」とくぎを刺す。地域課題の解決、自身の選挙との関係、同郷のよしみ-。県内の首長はそれぞれの思い、事情を抱えながら参院選を注視している。