<レスリング>アジア・カデット選手権(カザフスタン)出場の男子フリースタイル・チームが帰国

(取材・撮影=矢吹建夫)

カザフスタンから帰国した男子フリースタイル・チーム

 カザフスタン・ヌルスルタンで行われたアジア・カデット選手権に出場した男子フリースタイル・チームが7月10日、羽田空港に帰国した。60kg級の髙橋海大(JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)が優勝し、2年連続でチャンピオンを輩出したが、他の階級ではメダルに手が届かず、喜びと無念さを持っての帰国となった。

 川井孝人監督(石川・金沢北陵高教)は「金メダルを取れたことはよかったですが、3位決定戦でメダルが手に届かなかい試合が多かった(3試合)。私たちの力不足を感じました」と言う。全体的にイランの強さを感じた様子。男子の両スタイルともやられる試合が多く、差を感じたようだ。「世界に目を向けて、大学また社会人になってからも頑張ってもらいたい」と期待した。

 遠征の期間中、日本では同監督の長女・梨紗子(ジャパンビバレッジ)が世界選手権代表を巡る大一番に挑んだ。「気にならなかった、と言ったら、うそになりますが、カデットの監督として、けじめを持ってやっていました。(カデットの)選手に1つでも多くのメダルを取らせることを考えていました」とのこと。

金メダル獲得の髙橋海大(JWA/東京・帝京高)と川井孝人監督(右)、吉岡治コーチ

 男子グレコローマンの小柴健二コーチから「おめでとうございます」と言われて(娘の)勝利を知ったそうで、長女への連絡もこれからとか。引率した選手のことに神経を集中させた遠征だった。

 昨年11月のU15アジア選手権に続いてアジアを制覇した髙橋は「自分の持ち味である攻めのレスリングができて、相手にペースをつかませなかったところが勝因だったと思います」と振り返った。もちろん反省点、課題点もあり、「相手と組んだ時、相手の方が力が強くて動きが止まってしまったりし、相手に攻めるスペースを与えてしまった。差しとか組み手の処理をもっとうまくしたいです」と話し、さらなる飛躍を誓った。

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