<レスリング>7.9~14アジア・ジュニア選手権(タイ)出場の男子フリースタイル・チームが出発

タイに向かった男子フリースタイル・チーム

 タイ・チョンブリーで始まったアジア・ジュニア選手権に出場する男子フリースタイル・チームが7月10日、羽田空港発の日本航空で出発した。同スタイルは13・14日に行われる。

 昨年は「金1・銀1・銅3」を獲得する好成績。昨年に続いてチームを指揮する小幡邦彦監督(山梨学院大教)は「カデット(のアジア選手権)で優勝が一人出た。この大会のグレコローマンでも初日に3位が3人。フリースタイルも続き、去年以上の成績を目指したい」と言う。

 さらに、昨年3位だった志賀晃次郎(拓大)は12月の全日本選手権で優勝し、2位だった大津拓馬(山梨学院大)は先月の全日本選抜選手権で優勝している事実を挙げ、この大会の成績が全日本の成績につながることを訴える。「東京オリンピックには間に合わないと思うが、2024年、2028年につながる試合をしてほしい」と注文した。

 6月の下旬には、ジュニア選手が山梨学院大での全日本合宿に加わり、シニアとの練習で強化した。海外遠征にあたってシニアとジュニアが合同合宿するのは初の試み。その成果が問われる大会でもあるわけで、「大会の最後を締めくくりたい」と気合を入れた。

日体大育ちのアビッド・ハルーンがパキスタン代表として出場

 主将に推された92kg級の秋場勇星(国士舘大)は「きのう、グレコローマンで銅メダル3個を取った。この調子を続けて、フリースタイルでもメダルをたくさん取って帰国したい。アジアのレベルは上がっているので、手堅く取りにいきたい」と言う。

 これまで海外遠征はあったが、国際大会出場は初という。「自分の力を発揮したい。(主将としての)プレッシャーはあるが、チーム全員で闘うという気持ちに立ってやりたい」と、団結を強調した。

パキスタン代表として出場するアビッド・ハルーン(日体大)と湯元健一コーチ(日体大教)

 パキスタン代表としてアビッド・ハルーン(日体大)が97kg級に出場することになり、日本チームとともに現地に向かった。昨年のこの大会はビザ発行が間に合わずに断念。世界ジュニア選手権は初戦で韓国選手に勝ったものの、2回戦で米国選手に敗れて11位だった。

 「世界のレベルが高いことは知っている。日体大できつい練習をしているので、前より絶対に強くなっていると思う。今回は絶対に優勝したい」と言う。

 パキスタンは、レスリングはさほど盛んではなく、1981・88年にシニアのアジア選手権を開催しているが、現在では国際大会に選手を派遣することもままならない状況。アジア・ジュニア選手権では、1980年代に2選手がメダルを取ったあと途絶え、久しぶりの参加となった昨年は5位が最高だった。

 それだけに、恵まれた環境の中で練習している自らが道を切り開きたいところ。「(8月の)世界ジュニア選手権にも出るので、そこでも優勝したい。東京オリンピックは厳しいかもしれないけど、いずれはシニアのアジア選手権や世界選手権に出て、オリンピックへつなげたい」と話した。

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