政治への視線 2019参院選 長崎・3 <改憲>9条より同性婚は?

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長崎市長選の出陣式で司会を務める浅川さん=長崎市内

 4月20日、長崎市中心部の鉄橋。市長選の投票日を翌日に控え、すらりとした長身の大学3年生、浅川容行(ひろゆき)さん(20)は候補者の選挙スタッフとして有権者に手を振っていた。「大学1年の春休みに当時市議だった候補者のもとで議員インターンシップを体験させてもらい、それが縁で選挙を手伝うようになった」と言う。
 これまでも別の首長選や衆院選で応援弁士を務めるなど政治への意識は高い。その原点は故郷の西海市大瀬戸町の松島にある。島の人口は3月現在、約460人。この10年間で約110人も減った。
 「小学校時代は、一緒に通っていた友だちが年々減る一方で、耕作放棄地や空き家は増えた。地域のためにできることが何かないかと考えるようになった」。今は諫早市の大学に通うが、いずれ地元に戻り、政治活動に取り組みたいという。
 今回の参院選にも熱いまなざしを送り、地方の視点から「憲法9条」にも高い関心を寄せる。
 安倍晋三首相は戦争放棄や戦力不保持をうたった9条への「自衛隊明記」に強い意欲を示す。浅川さんは「地元の西海市では米軍のLCAC(エアクッション型揚陸艇)の夜間訓練が問題になっている。日米安保で米軍に日本を守ってもらっている以上、沖縄に集中する基地は全国各地に分散させるのが望ましい」と思っていたが、先日、トランプ米大統領が日米安保の破棄に言及したとのニュースが一時流れた。「国際情勢が刻々と変化する中、国防や自衛隊が今のままで良いのか議論が必要」と語る。
 だからこそ国会の現状に不満が募る。「今国会で予算委員会の開催を与党が拒んでいると野党が批判していたが、逆に憲法審査会の議論は野党が応じず進まなかった」と首をかしげる。4年前の安全保障関連法案採決をめぐる経過も振り返りながら「与党はもっと時間をかけて議論すべきだった。民主主義は面倒でもプロセスを大切にしなければならない」と指摘する。
 ただ改憲の最初のテーマが、国論を二分しかねない9条が適当かどうか、とも思う。「国防ももちろん大切だが、日々の生活で切実に悩んでいる人も多い、LGBT(性的少数者)の権利や、現在禁止されている夫婦別姓を早急に議論すべきではないか」と提案する。
 同性の結婚について政府は「憲法は想定していない」との立場。夫婦別姓の禁止も4年前の最高裁判決で「合憲」とされた。「生活により身近なテーマで『改憲ってこんな感じか』と体験した後、9条に臨んだ方が、より冷静な議論ができるような気がするのだが」