杭州の良渚古代遺跡がユネスコ世界遺産に登録される

杭州の良渚古代遺跡がユネスコ世界遺産に登録される

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【杭州(中国)2019年7月10日新華社=共同通信JBN】杭州良渚遺跡管理区管理委員会によると、中国東部の杭州にある良渚市の古代遺跡が7月6日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に文化遺産として登録された。

中国の文化遺産を登録リストに加える決定は、アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の第43回世界遺産委員会で、5000年を超える中国文明を証言する真正、無傷の遺産として各委員から支持された。

この新登録で、世界遺産リストには中国の遺産55件が含まれることになった。また、杭州では西湖、北京-杭州大運河(京杭大運河)に続く3番目の世界文化遺産でもある。

世界遺産委員会によると、この遺跡は、新石器時代後期の中国に統一信仰体系を持ち、経済的に稲作農業に支えられていた地方国家が存在した証拠になる。また、長江地域による中国文明発祥への顕著な貢献でもある。

河川網が交差する平野の天目山東麓にある良渚遺跡はかつて、太湖周辺の初期地方国家の権力と信仰の中心だった。

1936年、西湖博物館のシ・シンネン研究員が浙江省の省都、杭州の郊外にある良渚で大規模な調査と発掘を実施し、そこで多くの先史遺跡を発見した。1959年、公式に良渚文化と命名された。

1970年代以降、良渚遺跡は江蘇省、上海、浙江省のさまざまな考古学的作業を通じて発掘、調査、保存され、物質的生活、定住形式、組織構造、階層化、信条、作法、文明プロセスの観点から良渚文化を補強した。良渚市の発見によって、4000年以上失われていた先史時代の古代都市が2007年に出現した。

2015年、堤防11カ所など良渚の水利事業の発見が発表された。これは、中国で発見された最も古い大規模な水利システムで、世界最古のダム・システムである。

良渚市を中核とする良渚遺跡は、良渚文化の中心である。遺跡の形式は多彩、遺跡構造は完全で、中国文明の起源の基本的特徴を明らかにしており、5000年を超える中国文明の最も完全かつ重要な考古学的証拠を示している。古代エジプト、シュメール文明と同時期に建設された良渚市は特に、規模と内容の面で世界の同じような遺跡の中でも極めてまれであり、「中国最古の都市」と呼んでも差し支えない。

退官したケンブリッジ大学の考古学教授で英国学士院フェローのコリン・レンフルー氏は「中国先史時代の発見の重要性は過小評価されてきた。良渚遺跡で発掘された“Cong and bi”は地域の統一価値を代表している。良渚社会の複雑性は国家のそれに匹敵する」と語った。

良渚市の古代遺跡は中国先史時代が過小評価されてきたことを世界に示し、5000年以上前の文明を語り、中国と世界双方の歴史を書き直すものである。

ソース:Hangzhou Liangzhu Archaeological Site Administrative District Management Committee

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(良渚古代遺跡公園)