激戦!北海道の回転寿司 生き残るための戦略とは

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毎週土曜11:00から放送中の「けいナビ」。
今週のテーマは「回転寿司」。

街で聞いた結果、一人あたりの消費量は10皿前後で、金額は千円~2千円程度という答えが多かった。
北海道内の回転寿司の店舗数は約200店。競争が激化している。

回転寿司チェーンの根室花まる。
その名の通り根室が発祥で、19年前に札幌に進出した1号店が南25条店。取材した日は平日にも関わらず、お昼前にはほぼ満席状態。根室花まるは一皿130円(税込140円)~420円(税込453円)まで6段階で、常時120種類ほどの寿司を提供する。1日の注文数は平均で3千~4千皿くらいという。

徹底的にこだわるのが、鮮度。
奥谷昌文店長によると「その日仕入れたものはその日使いきるイメージ。同じ魚でも1日に3~4回に分けて捌く」とのこと。
接客担当のスタッフは、自慢の鮮度をいかに伝えるか知恵を絞る。同じネタでも営業時間中に産地が変わる場合もあるという。

道東・羅臼町の卸売市場。
花まるの仕入れ担当の塩谷宗一郎さんは、月に1度は数日かけて複数の港町をまわるという。獲れる時期や漁の手法によってサイズや味、もちろん価格にも影響する。仕入れの適切な時期の見極めが欠かせない。
塩谷さんに細かな漁の状況を伝えるのは、地元の仲卸・金井稔さん。セリに参加できる資格をもつ、はなまるには欠かせない取引先だ。この日一番の目当ては時鮭(トキシラズ)。産卵前に沿岸を回遊するサケで、脂のノリの良さが特徴の高級魚だ。しかし、この日は獲れておらず。状態の良さから、回転寿司ではそれほどメジャーなネタではないホッケを買い上げた。

その後、塩谷さんが向かった先は、羅臼町内の水産加工場。
今回の目的のもう一つは、セリ落とした魚の「下処理」を教えることだ。実は塩谷さん、元々店頭で寿司を握っていた料理人なのだ。水揚げされたばかりの魚を最初に触る下処理を誤ると、大きな鮮度劣化につながりかねないという。

後日、札幌の花まる本社。
加工の仕方を教えた魚のサンプルが、テスト用に届いた。この日姿を見せたのは、はなまるのトップ、清水鉄志社長。
新たなネタが入るたびに社長が直接チェックする。ホッケのほかにアオゾイ、そして羅臼に出向いた時には水揚げのなかったトキシラズも並んだ。トキシラズを食べた社長は「ダメって感じだな。トキシラズらしい味がまだない」と一蹴した。

旬は2カ月しかなく、一日でも店頭に並ぶ期間が減れば店の売上にも響くが、妥協はしない。花まるの売り上げは回転寿司事業を始めて以降の18年間、ほぼ右肩あがり。直近の6年は過去最高を毎年更新している。

札幌の回転寿司チェーン「海天丸」。
重さおよそ42キロの本マグロの解体ショー。海天丸が年に2回行っているイベントだ。じゃんけんに勝った客には、無料でカマトロを振る舞うサービスも。この解体ショー、単に楽しませるためだけでなく、完全養殖マグロを広めようと取り組んでいる。寿司店にとって欠かせないマグロ。近年は国際的な漁獲制限や資源の減少で市場価格は上昇傾向にある。大量に仕入れが必要なチェーン店にとっては、死活問題になりかねない。まだ生産量が少なく仕入れ値は高くつくが、安定した味と仕入れができる養殖は魅力だ。

海天丸がこうした高価格帯のネタを取り入れ始めたのは6年前から。
それまでは、一律1皿120円という格安をウリにしていた。営業部長の高尾裕也さんは「低価格の商品をメインに構成していたが、ライバル店が増えるなか、環境が厳しくなってきた」と話す。大手チェーンなどの進出で、戦略の見直しを迫られた。価格は8段階に分け。高級なネタも扱うグルメ系と呼ばれる形態に転換した。こうした取り組みが功を奏し、この1年は5%売り上げが上がっているという。
北海道で激戦を続ける回転寿司。生き残りには、戦略が不可欠だ。

(7月13日放送 テレビ北海道「けいナビ」より)