石井筆子の生涯 ドラマ化を要望 大村市がNHKに

石井筆子のドラマ化を提案する園田市長(中央奧)=NHK放送センター

 長崎県大村市の園田裕史市長は11日、東京・渋谷のNHK放送センターを訪れ、同市出身の石井筆子(1861~1944年)のドラマ化を要望した。障害者教育や福祉にささげた生涯は東京五輪・パラリンピックの趣旨に沿うとして、来年秋の放送を求めた。
 苦難の道を歩んだ筆子が詠んだ歌から引用した「いばら路を知りて」をタイトルとして提案。筆子は表舞台に出ず「無名の人」とされたが、取り巻く人物には大村藩士から明治政府高官になった父の渡辺清をはじめ、坂本龍馬や勝海舟、新紙幣の肖像画に決まった渋沢栄一、津田梅子らがおり、時宜を得たドラマになると強調した。
 井川京子市議会議長や日本財団の前田晃専務理事が同行。園田市長は、筆子が力を注いだ国内初の知的障害者福祉施設「滝乃川学園」(東京)との協力体制も整っていることを報告し「ハードルは高いかもしれないが、ぜひお願いしたい」と要請した。
 佐藤高彰制作局長は、制作期間など物理的に厳しい面があることに言及しながらも「素晴らしい提案。検討させていただきたい」と応じた。

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