「長崎を最後の被爆地に」 2020年NPT会議 核軍縮委議長・サイード氏が献花、視察

長崎原爆資料館を視察するサイード国連大使(左中央)=長崎市平野町

 2020年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、核軍縮をテーマとした委員会の議長を務めるマレーシアのサイード国連大使が11日、長崎市を訪問した。爆心地公園で献花し長崎原爆資料館を視察、被爆者の講話を聴いて被爆の実相に触れたサイード氏は「長崎を最後の被爆地にしたい」と述べた。
 サイード氏は長崎原爆資料館で、原爆の被害を伝える展示に見入った。館内でで被爆者の山脇佳朗さん(85)と面会。山脇さんが英語で自らの被爆体験を語り終えると、サイード氏は「この世界から核兵器がなくなることを願う」と伝えた。報道陣に対しては「核軍縮、核廃絶に取り組む決意がさらに強まった。私の力で、可能な限り核軍縮に取り組んでいきたい」と今後の決意を語った。
 サイード氏は、再検討会議に向けた今春の第3回準備委員会で議長を務めており、その際に田上富久市長と松井一実広島市長が面会して被爆地への訪問を要請していた。12日には広島市を訪問する予定。

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