タイラバリールの“適材適所”の使い分け【中村宗彦徹底解説!】

今や世界規模になりつつあるソルトオフショアルアーゲームの「タイラバ」。漁具から始まったこの釣りが今ではルアーゲームの一角を担い、新たな釣法やアイテムが生まれ、日進月歩で進化している。そん最先端を走るであろうアイテムがテイルウォークの電動リール「エラン SW DENDO」だ。今回はこの電動リールと既存のベイトリール、スピニングリールの“適材適所”をテイルウォークの総合プロデューサーでもある中村宗彦さんに教えてもらいました!

あらゆる釣りに精通する、テイルウォークのフィッシングマエストロ

中村宗彦(なかむら・むねひこ)さん
テイルウォークの顔ともいえる、総合プロデューサー。ソルト・フレッシュ問わず様々な釣りを行うが、特にタイラバが得意。2011年にはブームに先駆け、タイラバ用ロッドの開発を始めていたほどの入れ込みよう。また、バスアングラーとして、芦ノ湖でも活躍中。

前回、中村さんにはルアーゲームにおける電動リールの有効性を、新しくリリースされた「エラン SW DENDO」をもとに解説してもらった。

中村さん「様々な機能を搭載していますが、もちろん得手不得手はあります。例えば、水深の浅いエリアであれば、わざわざ電動リールを使うメリットはあまりありませんよね。これまで使われてきた、スピニングリールやベイトリールにもそれぞれの良さ、得意なシチュエーションがあるんです。そこを意識して使い分けることは、釣果にもつながりますよ」。

まるで近未来ガジェッドの様な電動リールだが、その実力は、使いどころを選んでこそ発揮される。

今回は改めて、電動リール、ベイトリール、スピニングリールのタイラバにおける適材適所、得手不得手を解説していこう!!

電動リールの“適材適所”

①深いエリア、ドテラ流しなど、ラインの放出量が多いときに。

②安定したリーリングが容易。

③再現性を高めたいときに。

●ロッド:タイゲームTZ スパイラルリミテッドC71L[テイルウォーク] ●リール:エランSWDENDO150[テイルウォーク] ●ライン:パワーアイWX8マークド 0.8号[アルファタックル]+アプロード ディテールプレミアムプロハリス5号[サンヨーナイロン]

深い場所や、ドテラ流しでタイラバが遠くまで行ってしまっている時など、高速回収はやはり電動リールが便利。また、速度にかかわらず、安定した速度でリーリングができるというのは、特にタイラバにおいては強力な武器となるだろう。反応のあった水深や巻き速度を再現しやすいのも、電動リールならではだ。

深いエリアからの巻き上げは、人力だとなかなか苦労するもの。これが回収するだけならまだしも、巻き上げて落とすを繰り返すとなると電動リールが必要不可欠。手巻きでは獲れない魚が釣れるかも!?

電動巻き上げを使うまでもない水深ではあったが、魚探に反応のあるレンジを繰り返し狙うことで、見事にキャッチ!

スピニングリールの“適材適所”

①浅いエリアを広く探るときに。

②移動距離を抑えて探ることも可能。

③タッチ&ゴーは難しい。

●ロッド:J&C S72ML[テイルウォーク] ●リール:イグジストLT3000CH[DAIWA] ●ライン:パワーアイWX8マークド 0.8号[アルファタックル]+アプロード ディテールプレミアムプロハリス5号[サンヨーナイロン]

キャストして船から離れた位置に落としやすいスピニングリールは、浅いエリアを広く探るのが得意。逆に、フォール時にラインの抵抗が少ない点を活かし、移動距離を抑えて探ることも可能だ。ただし、着底→巻き上げをスムーズに行う、いわゆる“タッチ&ゴー”は難しい。そのため、根掛かりの回避もしづらいので注意。

ベイトタックルの“適材適所”

①巻き上げのトルクがある。

②細かい操作が可能。

③軽量。

●ロッド:タイゲームTZ スパイラルリミテッドC68ML[テイルウォーク] ●リール:エランSW VTN73R[テイルウォーク] ●ライン:パワーアイWX8マークド 0.8号[アルファタックル]+アプロード ディテールプレミアムプロハリス5号[サンヨーナイロン]

多くのアングラーが使用しているベイトタックル。スピニングリールや電動巻き上げに比べて力強く巻き上げることが可能。マニュアル操作感が武器であり、リーリング速度を細かに変えられたり、魚がタイラバを追尾している時のわずかな変化も捉えやすい。

取材時は電動リール、スピニングリール共に解説してもらいつつ、しっかりと釣果を出している中村さん。最後にベイトリールでも…。と無茶なお願いをしたつもりが、あっさりと最大魚をキャッチ! この日の最適解はベイトリールだったようだ。

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