被爆3世中心に撮影 堂畝さん写真展「生きて、繋いで」 16日までコクラヤギャラリー

2年前に撮影した家族写真を見る浦川さん親子=長崎市万屋町、コクラヤギャラリー

 被爆3世の家族を撮影した写真展「生きて、繋(つな)いで-被爆三世の家族写真-」が12日、長崎市万屋町のコクラヤギャラリーで始まった。広島市の写真家、堂畝紘子さん(37)が撮影した広島や長崎の計10組、約50枚の写真が展示されている。入場無料。16日まで。
 堂畝さんは2015年から被爆体験の継承を考えるきっかけづくりにと、被爆3世を中心に家族写真を無料で撮影し、これまでに約80組を写真に収めた。
 堂畝さんは当日、まず集合写真を撮影。その後、被爆をした祖父母世代が語る体験を3世に聞き取ってもらう。堂畝さんは、その姿にもカメラを向ける。家族内での継承が大切と考えているからだ。「家族の悲惨な体験を聞くと、ひとごとではなく自分に関わることだと、考え方が切り替わるきっかけになる」と強調する。
 この日、会場には17年7月に堂畝さんが撮影した長崎市の浦川麻衣子さん(39)の姿も。祖母と父が被爆を体験した浦川さんは、展示された集合写真やスナップ写真などを見詰めながら「被爆3世に当たる子どもが大きくなったら、平和教育として写真とともに祖母と父の体験を伝えたい」と話した。

被爆3世に当たる娘を抱く浦川さんとその家族。左は祖母の遺影を持つ父=2017年7月、西彼長与町(堂畝紘子さん撮影)

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