新木優子:憧れの女優はあの人 声優初挑戦でコンプレックスを克服

©株式会社MANTAN

「トイ・ストーリー4」の日本語吹き替え版でギャビー・ギャビーの声を担当した新木優子さん

 女優・モデルの新木優子さんが初めて声優に挑戦したディズニー/ピクサーのアニメーション最新作「トイ・ストーリー4」(ジョシュ・クーリー監督)。今回、新木さんが演じたギャビー・ギャビー(クリスティナ・ヘンドリックスさん)は、子供から愛されたいと願っているにもかかわらず、長い間、アンティーク・ショップの奥で忘れ去られた存在になっている1950年代に作られた女の子の人形だ。新木さんに、今回の作品を通して発見したことや克服できたこと、また日々心がけていること、さらに女性が輝き続ける秘訣(ひけつ)を聞いた。

 ◇イメージと実物のギャップを避ける

 ギャビー・ギャビーは、自分の持ち主が早く見つかるよう、自分をきれいに見せるために、顔のそばかすを自分で描き足すなど日々のメンテナンスを怠らない。そこで、新木さん自身が日々の生活で心掛けていることを聞くと、「広告や写真で見ていただいているイメージと、普段の自分があまりにもかけ離れないようにしたいとは思っています」という言葉が返ってきた。

 その根っこの部分には、「そのときの状態によって、もちろん、体調がすぐれないときもあると思います。でも、どんなときでも憧れの女優さんには憧れの女優さんのままであってほしい」という願いにも似た思いが、新木さんの中にはあるからだ。

 だからこそ、「まがりなりにも人から憧れられる存在にならせていただいているので、ファッションは、自分が好きということもありますが、おしゃれやメークを楽しみながら日々自分を磨くようにはしています」と自分自身を律している。内面的な部分でも、「私自身は、女性としても可愛らしくて、演技をされるとカメレオンのように全く違う役にもなれる柴咲コウさんにすごく憧れているのですけど、ぜひ、そういう女性になれるよう日々努力したいと思っています」と襟を正す。

 ◇見た目と声のギャップに…

 普段から、見た目の愛らしさから、可愛らしい、お嬢様っぽい声を想像され、実際に会って話をしてみて、「意外とハスキーな、カッコいい声だねと言ってもらえることが多い」という新木さん。しかしそのハスキーな声が、新木さんにはコンプレックスだったという。

 「自分では、可愛らしい、女の子っぽい声に憧れを持っていました。でも、このお仕事をさせていただくことになって、声で褒めていただく機会が多くなって、自分のコンプレックスになっていた、人と違う、ちょっと落ち着いた声が、自分の強みなんだとより実感できて自信につながりました」と晴れやかな表情を浮かべる。

 ◇ボー・ピープから学んだこと

 今回、「トイ・ストーリー2」(1999年)まで登場していたウッディたちの仲間で羊飼い人形のボー・ピープ(アニー・ポッツさん/戸田恵子さん)が、19年ぶりに帰って来る。ボー・ピープは、デリケートな陶器製の外見とは大違いで、強さと冒険心と自由精神を持つおもちゃに変貌している。その姿は、むしろ以前より輝いて見える。

 一方、最近、海外での仕事が増えているという新木さん。今回のボー・ピープから、改めて「自由に生きる、自分の心に素直に生きることの大切さ」を学んだという。「求められているからここにいようという固定概念を持っていると、それだけの世界で終わってしまいます。枠を決めずに行動すれば、こんなに素晴らしい世界が広がっているのだということを、ボー・ピープを見ていて強く思いました」と話す。

 加えて、ボー・ピープの声を担当した戸田さんにも心を動かされた。「戸田さんの声の表現が、今回、『2』までとはまた違うたくましさや、女性の強さをすごく感じました。ですから、むしろ私から戸田さんに、そのたくましさをどうやって表現したのか……映像からくみ取って変えていらっしゃるのか、それとも、ご自身が経験したことを生かして変えていらっしゃるのか……そこは、私自身すごく気になるので、戸田さんにお伺いしたいと思っています」と真摯(しんし)に語った。

 ◇輝き続ける秘訣は…

 そんな新木さんに、女性が輝き続ける秘訣を尋ねると、「自分のやりたい役だけをやっていくと、自分の好きなものだけになってしまうと思います。もちろん、自分のやりたいことを生き生きとやることは、すごく大切なことだと思います。でも、あえて自分の苦手な分野にも挑戦してみることは、自分の成長にもつながると思いますし大事なことだと思います。とはいえ、言うのは簡単で、苦手なことをやるとなると勇気がいります。でも、苦手なことを克服して強みに変えていくことは、とても大切なことだと思うし、それを克服することで、輝き続ける秘訣が見つかるポイントにもなると思います」という答えが返ってきた。

 そう言い切る新木さんだが、直後、「でも、輝き続けることは永遠の課題でもあると思うので、それを見つけ切ってしまう女性にはなりたくないという思いもあります」と複雑な心境をのぞかせる。そして、「それを見つけてしまうと、それにまたとらわれて、“たぶんこうである”ということに向かってしまう自分を、ちょっと見たくないなという気持ちもあるので……」と言葉をつなぎ、「やっぱり、(輝き続ける秘訣を)探し続けていることが、輝き続ける秘訣なのではないかと思います」と、晴れやかな表情で結論づけた。

 「トイ・ストーリー4」は、おもちゃの世界での出来事を、世界初の長編フルCGアニメーションで描いたディズニー/ピクサーによる長編アニメーション「トイ・ストーリー」シリーズの最新作。第1弾が1995年、第2弾が1999年、第3弾が2010年に製作された。今作では、自分をゴミだと思い込み逃げ出した、先割れスプーンでできたおもちゃのフォーキー(トニー・ヘイルさん)を、ウッディ(トム・ハンクスさん)が連れ戻す旅に出る。日本語吹き替え版ではウッディの声を俳優の唐沢寿明さん、フォーキーの声を竜星涼さんが担当する。

 <プロフィル>

 あらき・ゆうこ 1993年12月15日生まれ。東京都出身。2014年より雑誌「non-no」(集英社)の専属モデルとして活躍。最近のドラマ出演作に「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(2017年)、「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON」(同)、「SUITS/スーツ」(2018年)、「トレース~科捜研の男~」(2019年)など。映画出演作に「僕らのごはんは明日で待ってる」(2017年)、「悪と仮面のルール」(2018年)、「劇場版コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」(同)、「あのコの、トリコ。」(同)がある。

 (取材・文・撮影/りんたいこ)