胆振東部地震で緊急調査…室工大の研究員6人が報告会

©株式会社室蘭民報社

 昨年9月の胆振東部地震について、室蘭工業大学(空閑良壽(くが・よしかず)学長)は12日、同大教員による緊急調査の報告会を学内で開いた。各分野の研究者6人が、住民の避難行動や斜面崩壊のメカニズムなどに関して発表した。

 有村幹治准教授(土木計画学・交通工学)は地震後、室蘭市民を対象に実施し、世帯主2187人が回答した調査で、市が設定する津波浸水予測区域内の住民の約3割が津波の発生を考えず、考えても行動しなかった―など浮かび上がった実態を紹介。地域によって避難行動や考え方に違いがみられ「地域特性を捉えた上で住民にどのような情報を伝えるかが大事になる」と指摘。地震発生時の身を守る行動を確認する「シェイクアウト」の内容を開催地域によって見直したり、転入者が多い地域ではハザードマップが対象者の目に届いているかを確認する必要性を説いた。

 川村志麻准教授(地盤工学)は、大規模な斜面崩壊について、厚真町の日高幌内川流域で起きた岩盤すべりと表層すべりに着目。8割が谷あいの地形的な特徴に加え、斜面崩壊が震央から25キロ圏内の北側に集中したのは樽前山や恵庭岳の過去の噴火がもたらした降下堆積物の風化が進み、もろくなった層が地震の揺れで崩れたとの見方を示した。「ハード対策には限界がある。道内に広く火山灰層が分布していることを考えると、リスク評価にこそ取り組むべき」と提言した。

 室蘭工大は地震後、特別予算を編成し、各研究者が現地調査などを進めていた。調査結果は後日、大学のホームページで公表する。(野村英史)

【写真=室蘭工大の教員がそれぞれの研究分野で調査した結果を発表した報告会】