日産 新型ジュークは日本未発売? それとも2019年中にe-POWER搭載で発売!?燃費や価格など気になるスペックを大胆予想

日産 新型ジューク(欧州仕様)[2019年9月3日発表]

日産 新型ジュークが初のフルモデルチェンジ!2019年秋東京モーターショーで披露か!?

日産 新型ジューク(欧州仕様)[2019年9月3日発表]

2019年9月3日、日産のコンパクトSUVであるジューク(Juke)が、いよいよフルモデルチェンジを実施した。といってもここ日本ではなく欧州の話だ。

ジュークは2010年のデビュー以来、一度もフルモデルチェンジを受けておらず、約10年ぶりの刷新となる。

現行型ジュークは斬新なデザインや求めやすい価格などで、コンパクトSUV市場を開拓し話題を呼んだが、その後マイナーチェンジこそ何度か行われてきたものの力及ばず。ライバルが次々と参入しどれもヒットを飛ばす中、非常に勿体ない状況が続いていた。コンパクトSUVカテゴリは、ジュークを皮切りにトヨタ C-HR、ホンダ ヴェゼル、スバル XVといった魅力的な競合車が多数ひしめき、年内にはマツダからCX-30もデビューする見込みだ。日産 ジュークがこのタイミングで満を持して初のフルモデルチェンジを実施し、どれほど健闘できるか気になるところ。

そこで今回は、ジュークのフルモデルチェンジに関する最新情報をお届けしたい。

2019年9月3日、欧州で遂に発表

日産 新型ジューク(欧州仕様)[2019年9月3日発表]

日産ジュークがはじめてデビューしたのが2010年6月。実に9年以上もモデルチェンジをしていない。一般にデビュー後5~7年で初のフルモデルチェンジを迎えるのと比べると放置プレイ状態にある。現行モデルのユーザーや販売店の現場からも、そろそろ新型の登場を希望する悲痛な声もあがっている。

そんな中で欧州日産が新型ジュークを発表した。大胆なクーペフォルムデザインは現行型同様で、ある意味キープコンセプト。ただしボディサイズを拡大し、プロパイロットなどの先進運転支援技術なども盛り込んだ。

この流れで行くと、日本国内でも2019年10月開催の東京モーターショーで新型ジュークを初公開し、早ければ2019年中、遅くとも2020年の春頃には発売されるとみるのが自然なのだが、現時点では一切日本における動向が発表されていない点が気にかかるところだ。

日産 新型ジュークはe-POWER搭載のハイブリッドモデルになる可能性大!

e-POWERの拡充を図る日産…次はどのモデル?

日産 セレナe-POWER グレード:ハイウェイスター V 色:カシミヤグレージュ/インペリアルアンバー2トーン

日産は2018年4月に、今後の車種ラインナップに関する重大な発表をした。その内容は2022年末までに、国内市場に電気自動車3車種とe-POWER搭載車5車種を新規に投入するというもの。

現状e-POWERを搭載しているのがコンパクトカーのノートとミニバンのセレナで、この次に控えているのが次期ジューク、そして次期エクストレイルである可能性は高い。

日産 新型ジュークの価格を大胆予想!

日産 新型ジューク(欧州仕様)[2019年9月3日発表]

新型ジュークはどの程度の価格帯で販売されるか、ライバルの動向をもとに考えてみよう。

ジュークの属するコンパクトSUV市場は国内外ともに盛況で、それゆえに競争が激しい。その中でも現行型のジューク(173.8~346.9万円)は、ライバルのホンダ ヴェゼル(196.5~292.6万円)、トヨタ C-HR(229.0~292.9万円)、スバル XV(213.8~267.8万円)、三菱 エクリプスクロス(270.6~309.5万円)と比べ、とりわけエントリーグレードの割安感が際立つ。競合車よりも若年層にも選ばれやすいアドバンテージがあり、この点は次期型でも堅持してほしい点だ。

反面、e-POWER搭載のほか、安全装備のアップデートにより、全体的な価格アップとなる可能性が高い。先進安全装備も現行のエマージェンシーブレーキからアップデートされる可能性が高いので、この点が価格にどう影響するかが気になるところだ。

ちなみに欧州仕様車のは17,395ユーロ~25,395ユーロ(約202万円~約295万円)。

※1ユーロ116.2円で換算

ただしこちらは1リッター3気筒ガソリン直噴ターボのみの設定で、e-POWERやNISMOモデルなどは今のところ発表されていない。

これらを加味すると、日本では200万円弱~370万円程度の価格になるのではないかと予想する。

新型ジュークにニスモ(nismo)はラインナップされる?

日産 ジューク ニスモ

さてニスモ(nismo)といえば、ファンにはおなじみの日産のモータースポーツ部門、並びに日産各車におけるパフォーマンスバージョンの名称だ。

現在ラインナップされている日産車のうちマーチ、ノート、ジューク、セレナ、フェアレディZ、GT-Rのスポーツグレードとして設定され、それぞれ迫力あるエアロやカラーリング、足回りや給排気系、剛性アップといった専用チューニングにより、走行性能をアップさせている。また車種によってはMTを設定することで、走り好きのユーザーに好評を博している。

現行型のジュークにニスモがラインナップされていることもあり、次期型でもラインナップされるとみて間違いないだろう。

ジュークはクロスオーバーSUVの中でもとりたてて車高が低いほか、クーペのようななだらかなプロポーションが特徴的だ。スポーティなニスモのエアロパーツとの相性も良いので、その姿がどのようになるかにも注目したい。

新型ジュークとライバル車の価格を比較

日産 新型ジュークの燃費はどれくらい?

e-POWER搭載で大幅改善が期待できる!

新型ジュークの燃費性能も気になるところだ。

ノートやセレナのe-POWER搭載車とガソリンエンジン車を比較すると、単純計算で1.5倍程度燃費が改善している。現行ジュークの燃費がFFで18.0km/L、4WDで13.4km/Lなので、e-POWER搭載によりFFで30km/L前後、4WDで20km/Lまでの改善が期待できる。

e-POWER搭載でC-HRハイブリッドの30km/Lを超えるか

気になるのが、ライバル車種のトヨタ C-HRだ。ハイブリッド搭載グレードの燃費は30.2km/Lとかなり良好な数値を達成している。この30.2km/Lという数値は、新型ジュークの燃費性能におけるひとつのベンチマークとなるだろう。

2015年にコンセプトカーで予告していたe-POWERの搭載

実はこの新型ジュークのデザインの鍵をにぎるとされるグリップスコンセプト(後述)が2015年にフランクフルトでデビューしたのだが、その時点で“リーフと同じ大容量モーターと小排気量ガソリンエンジンを搭載し、エンジンで発電した電気を使って走るPure Drive e-POWER”というパワートレインを搭載するとされていた。

つまり、その次世代パワートレインが先にノート、セレナに搭載され、このグリップスコンセプトが担う次期ジュークに戻ってきたと言うこともできる。

次世代パワートレイン「e-POWER」とは

日産 ノート e-POWER C-Gear(シーギア) ツーリングパッケージ装着車

e-POWERは日産が展開するシリーズ方式のハイブリッドシステムで、1.2リッターの小排気量エンジンを発電だけに用い、その電気で走るというメカニズムを持つ。電気自動車の持つ航続距離の短さをガソリンエンジンで克服しつつ、電気で効率よく走るのが特徴だ。ハイブリッドシステムの中では、シリーズ方式(シリーズハイブリッド)に分類される。

また回生ブレーキが強く働くため、アクセルペダルを離すだけで十分に減速ができ、ブレーキペダルを踏む回数も少なく済む。効率が良いだけでなく、運転感覚も一新することに成功した。

すでにノートe-POWER、セレナe-POWERがラインナップされているほか、今後さらに5車種に展開すると発表されている。

日産 新型ジュークの外装・内装デザインはどうなる!?

日産 ジューク
日産 ジューク

鍵をにぎるのはコンセプトカー「グリップスコンセプト」

新型ジュークのデザインで鍵をにぎると思われるのは、2015年にフランクフルトでデビューしたコンセプトカー「グリップスコンセプト」(Gripz Concept)。ジュークを連想させるコンパクトSUVクロスオーバーらしいプロポーションながら、前ガルウィング+後リヤヒンジ(前開き)で観音開きのように開くドア、スポーツクーペのように長いボンネット、さらにサイドミラーを持たないなど、かなり尖った装いだった。

内装に関しても、カーボン調の素材で作られたクロノグラフのようなメーター、4座独立のキャプテンシートなど、独特の世界観が構築されていた。

東京モーターショーでも公開されたので、印象に残っている方も多いだろう。

ジューク

傍目にはかなり市販車離れした印象を受ける反面、これほどの躍動的でスタイリッシュなデザインになるのではないかと、見ているだけでワクワクしてしまう。そもそもジュークは、前身となるコンセプトカー「カザーナ」(写真)をほぼそのままのデザインで市販化した経緯がある。このグリップスコンセプトが“第2のカザーナ”になりうるのか、期待したい。

日産 新型ジュークは新開発のCMF-Bプラットフォームを採用?

新型ジュークには、新開発となるCMF-Bプラットフォームが採用されると言われている。これは日産とルノーの共同開発によるもので、新型マーチやルノー キャプチャーから採用されているものだ。このプラットフォームは今後、日産、ルノーに加え三菱において、ミドルクラスの各モデルの成否を担う重要な意味を持つと思われる。

日産 新型ジュークにはインテリジェントモビリティ思想の先進予防安全装備の搭載を期待

現行型のジュークに搭載されている先進予防安全装備は、前方の障害物を検知して自動ブレーキを作動させるエマージェンシーブレーキ(歩行者検知も可能)と車線逸脱警報になる。また駐車時に死角を補うアラウンドビューモニターやバックカメラも用意される。

これに比べ、新型のノートやセレナにはインテリジェントモビリティ思想の次世代安全装備が搭載されている。

その内容は、より作動速度がアップしたインテリジェントエマージェンシーブレーキ、インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)、そして任意の速度で先行車に追従し車線を維持し、先行車が停車すれば自分も停まるプロパイロットだ。駐車時のアラウンドビューモニターには、移動物検知機能も付帯する。

これらの先進の運転支援装備は、最新のモデルには必須になる。次期ジュークへの搭載も当然行われるだろう。

日産 ジュークってどんなクルマ?

日産 雪上・氷上試乗レポート|日産 ジューク

日産 ジュークは2010年にデビューしたクロスオーバーSUVだ。「SUV×スポーツカー」のクロスオーバーをテーマに、SUVらしからぬクーペライクなデザイン、躍動感溢れるボディライン、スポーティなハンドリングを狙って開発された。

デザイン上でもっとも特徴的なのは、上下2つに分かれたフロントライトと、フロントを横方向に貫くフロントグリル。ほかにもバイクの燃料タンクを連想させるセンターコンソールや、ピラー部分に隠されたリアのドアハンドルなど、ユニークな意匠が目立つ。

パワートレインには1.5リッターと1.6リッターの直4直噴ターボエンジン、トランスミッションはCVT。駆動方式はFFと4WDがラインナップしている。

日産 ジュークのライバル車種は?

ホンダ ヴェゼル(2018年MCモデル・ハイブリッドZ)
トヨタ C-HR(ハイブリッド)

▲左:ホンダ ヴェゼル / 右:トヨタ C-HR

車両価格の章でも触れたが、ジュークのライバルとなるコンパクトSUVクロスオーバーは国内外に競合が多い。

価格帯的に真っ向勝負となるのがホンダ ヴェゼル、若干上級となるのがトヨタ C-HR、三菱 エクリプスクロス、スバル XV、マツダ CX-3あたりだ。しかし次期ジュークは車両価格が上昇する可能性があり、そうなるとこれらの車種も対抗馬になる。

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