パロウが雨の富士で初ポール獲得。坪井が2番手でルーキーがフロントロウ独占【スーパーフォーミュラ第4戦予選】

 7月13日(土)、2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士スピードウェイの予選が行われ、TCS NAKAJIMA RACINGのアレックス・パロウが、スーパーフォーミュラ4戦目にして初のポールポジションを獲得した。2番手には坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)がトヨタ勢のトップタイムをマークし、ルーキーのふたりがフロントロウに並んだ。

 午前中のフリー走行はドライコンディションで行われたものの、予選の1時間ほど前から雨が降り始め、予選開始前にはウエット宣言がなされた。これにより20分間で行われるQ1は全車がウエットタイヤを装着し、気温22度、路面温度24度のウエットコンディションで予選がスタート。

 ところがQ1開始早々に、今大会からスーパーフォーミュラに参戦するパトリシオ・オワード(TEAM MUGEN)がセクター3でストップしてしまい、赤旗中断となった。コース上で止まってしまった原因は明らかになっていないが、どうやらスピンを喫してエンジンを止めてしまったとのこと。残念ながらオワードはタイムを残すことなく予選を終えた。

 これにより、予選はQ1の20分間を最初からやり直すことが決定。オワードの車両の回収を終え、15時より再度予選のスタートが切られた。まずは福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分36秒868というタイムを残すと、パロウ、関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と続いた。

 Q1の折り返しを迎える頃には雨足が少し強くなったが、セッション後半になるとQ2進出をかけた2度目のアタックが始まった。しかし各車アタックを行うものの、雨の影響もあってあまり大きなタイムの伸びは見られず。第3戦SUGOで2位に入賞した小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)や、3位に入賞したルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)などの7名と、オワードがQ1で敗退となった。

 トヨタ勢とホンダ勢がそれぞれ6台ずつ進出したQ2。7分間のこのセッションも、全車がウエットタイヤを装着してコースへ出て行った。石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が1分37秒924でトップに立つと、チームメイトの坪井翔が1分39秒291で2番手につける。その直後には山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分39秒136で石浦と坪井の間に割って入ったが、1分38秒587をマークしたパロウが山本を上回る。

 セッション終了間際に坪井が2番手に浮上すると、最後のアタックを終えた関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が1分37秒791とトップタイムを塗り替えた。さらに野尻智紀(TEAM MUGEN)、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)、大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)なども最後のアタックでタイムを更新。その結果、なんと前戦ウイナーの山本がここで姿を消すことに。中嶋、塚越、福住もここで敗退となり、トップタイムは石浦がマークした。

 ポールポジションを決める最後の予選Q3も、小雨が降り続くなかでスタート。ただホームストレートを通過するマシンの巻き上げる水煙が大きくなっており、徐々に雨量も増えているようだった。

 まずは坪井が最初のアタックで1分39秒252をマークし、関口が1分39秒311で2番手につけた。残り時間2分を切ったところでホームストレートでは牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)がスローダウンしていたが、その間にもアタックは続き、僚友のパロウが1分39秒167を記録してトップに立った。

 その後チェッカーを迎えてもパロウのタイムを上回るドライバーは現れず、スーパーフォーミュラ4戦目でパロウが初めてのポールポジションを獲得した。2番手には坪井が続き、ルーキーがフロントロウに並ぶ結果に。関口が3番手につけ、4番手以下は野尻、キャシディ、石浦、大嶋、牧野となっている。

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