FIA-F3第4戦イギリス レース1:白熱の首位争いをビプスが制し2勝目。角田は12台抜きを披露

 7月13日、2019年FIA-F3第4戦イギリスの決勝レース1が開催され、ユリ・ビプス(ハイテック)が優勝し今シーズン2勝目。日本の角田裕毅(イェンツァー)は14位、名取鉄平(カーリン・バズレーシング)は25位だった。

 前日に行われた予選は走行に影響するほどの風が吹いたシルバーストン。決勝レース1は風こそ収まったが曇り空、気温は16℃、路面温度は23℃というコンディションに。

 レッドブル育成のビプスが初ポールを獲得。2番手にマーカス・アームストロング(プレマ・レーシング)、セカンドロウはジェハン・ダルバラ(プレマ・レーシング)、クリスチャン・ルンガー(ART)と続く。予選で苦戦した日本勢は角田が26番手から、名取は28番手から追い上げる。

FIA-F3第4戦イギリス レース1 スタートシーン

 1周5.8km、20周で争われるレース1は日本時間17時30分にシグナルがオールブラックに。ダルバラが好スタートを切り2番手まで順位を上げた一方、アームストロングは5番手までポジションを下げた。

 3周目、デブリン・デフランチェスコ(トライデント)の左リヤタイヤがパンク、またセバスチャン・フェルナンデス(カンポス)がノーズ交換のためピットインし勝負権を失ってしまった。

 スタートの追い抜きとライバルのドロップで順位を上げたのが日本の角田、5周目にはトップと13秒差の18番手までポジションアップに成功する。

 6周目、4番手まで巻き返してきたアームストロングがルンガーをコーナーの進入で捉え3番手に浮上。その直後にフェデリコ・マルベスティティ(イェンツアー)がホームストレート上でストップしたためバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。

 コース上からマシンが撤去された8周目の途中からレースは再開。トップのビプスが0.7秒後方にダルバラを従え、さらに2秒後ろにアームストロングが続いていく。

 VSC解除直後の加速は良かったビプスだがダルバラのペースがよく、すぐさまテール・トゥ・ノーズに。DRSゾーンが訪れるたびにマシンが横並びする白熱した展開に発展。さらに上位2台の様子を伺っていた3番手アームストロングが同僚のダルバラを射程圏内に。

 3つ巴のバトルが期待された矢先の12周目、ラウル・ハイマン(ザウバー・ジュニアチーム)がコーナーでアウトに膨らみコースオフ、スピンしながらタイヤバリヤにリヤからヒット、ハイマンは自力でマシンを降りている。

 このためセーフティーカー(SC)ランとなり、マシン回収とバリア修繕のためバトルは3周ほど中断となった。

 トップのビプスから、ダルバラ、アームストロング、レオナルド・プルチーニ(ハイテック)の順に、角田は17番手、名取は21番手で、残り5周となった16周目にレースは再開する。

 SC明けにペースが良かったのはプルチーニ。前を行く3番手アームストロングに接近。0.410秒差まで迫り、表彰台を賭けたバトルを演じる。

 そしてDRS使用が可能となった18周目にトップ2台がふたたび接近。首位ビプスにダルバラは0.577秒差まで肉薄。

 トップを猛追するダルバラはビプスとの差を0.513秒まで詰め最終ラップへ突入。だがビプスが逃げ切りここでチェッカー。ビプスは第3戦オーストリアのレース1に続き2勝目。好バトルを演じたダルバラが2位、アームストロングが3位に入った。

 日本勢は角田が14位でフィニッシュ。得点圏外でのゴールとなったが12台抜きを演じ決勝レースでの強さをふたたび示した。また名取は25位だった。

 第4戦イギリス決勝レース1終了時点でのポイントランキングはダルバラが102ポイントで首位に浮上、シュワルツマンが100ポイントの僅差で2番手、ビプスが92ポイントで3番手と混戦の様相を呈している。

 レース2は日本時間7月14日(日)16:45から行われる。

名取鉄平(カーリン・バズレーシング)

■FIA-F3第4戦イギリス 決勝レース1 リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap SP

1 21 J.ビプス ハイテック 20Laps 1

2 27 J.ダルバラ プレマ・レーシング 0.811 3

3 26 M.アームストロング プレマ・レーシング 1.313 2

4 20 L.プルチーニ ハイテック 1.938 5

5 28 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 2.236 6

6 18 P.ピケ トライデント 5.301 8

7 3 C.ルンガー ART 6.835 4

8 4 L.ローソン MPモータースポーツ 7.106 7

9 11 J.ヒューズ HWAレースラボ 7.305 10

10 23 A.ペロニ カンポス 8.316 21

11 1 D.ベックマン ART 8.836 12

12 22 Y.ウィ・フェイ ハイテック 9.262 15

13 30 F.ドルゴビッチ カーリン 11.261 20

14 14 角田裕毅 イェンツァー 13.704 26

15 7 L.ゼンデリ ザウバー・ジュニアチーム 14.605 17

16 8 F.シェラー ザウバー・ジュニアチーム 15.933 9

17 6 R.フェルショール MPモータースポーツ 18.527 18

18 19 N.カリ トライデント 19.339 11

19 2 M.フュートレル ART 19.845 13

20 25 S.フェルナンデス カンポス 20.055 19

21 12 K.アンドレアス HWAレースラボ 20.559 23

22 10 B.ビシュカル HWAレースラボ 21.268 25

23 16 A.エシュトネル イェンツァー 21.519 27

24 5 S.ラークソネン MPモータースポーツ 21.778 24

25 29 名取鉄平 カーリン 21.944 28

26 31 L.サージェント カーリン 28.790 16

27 17 D.デフランチェスコ トライデント 55.456 22

— 9 R.ハイマン ザウバー・ジュニアチーム DNF 14

— 15 F.マルベスティティ イェンツアー DNF 29

— 24 A.デレッダ カンポス DNF 30

※SP:スタートポジション

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