ポール・トゥ・ウインを飾ったパロウ「すべての条件が揃って勝てた」/スーパーフォーミュラ第4戦決勝トップ3会見

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士の決勝レースを終え、優勝を飾ったアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)、2位の坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、3位のニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)がトップ3会見に臨み、レースを振り返った。

■アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)/決勝 優勝

ポール・トゥ・ウインを飾ったアレックス・パロウとパロウの妹

「今回は本当にチームが頑張ってくれたよ。今日のレースは難しいコンディションだったけど、ピットインしない戦略をとったドライバーが多く、チームから『燃料をセーブして』という指示がきたんだ」

「しばらく走っているとまた、もっとセーブしてと言われ、坪井選手が来てるけどなんとかして抑えないといけない状況だったよ。後続のドライバーは詰まってきて抑え合いになったので、僕は引き離すことができたんだと思う」

「バックマーカーを追い抜く時には気をつけて走っていたけれど、アンダーステア気味になってオーバーランしてしまった。レース展開としては、他の人たちに比べて楽だったとは思うけれど、他のマシンに近づきすぎてしまうと水しぶきで何も見えなくなってしまうので、ブレーキングポイントを少し早めにしたんだ。その時に2、3回ミスをした」

「基本的に燃費走行したいドライバーはいないと思うけれど、最初にチームとたてたのは給油しないという作戦だった。目標値があって、10周くらい走った時点で『これで大体いけるのかな』という感じだったけれど、チームからは3周おきくらいに燃料をセーブするよう言われた」

「でも『これ以上無理だ』と言ったけれど、最後になって『これで大丈夫だ』と言われて、燃料が残っていたので、結果的には良い終わり方ができた」

「正直、もっと早く勝てると思っていたよ。(開幕戦)鈴鹿ではクルマが良かったのに、ピットレーンでトラブルがあったりしたので、勝てると思っていたのに落としてしまった。その後もルーキードライバーのミスが続いてしまったので、やっとここですべての条件が揃って勝つことができたよ。今の勢いを今シーズンの後半戦に向けて続けていきたいね」

■坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)/決勝 2位

燃費をセーブしつつ2位をキープした坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)

「優勝できなかったのは悔しいですが、しっかり表彰台に乗ることができて嬉しいです」

「開幕からの3戦は、(ミスなどがあり)良いレースができなかったので、(今大会は)予選から決勝にかけてすごく良いレースができたので内容には満足しています」

「アレックス選手と同様に、かなり燃費を気にしないといけなかったので、追いつける気配はありませんでした。レース中、燃費はずっとセーブしていました」

「(セーフティカー明けのレース開始後)2、3周はセーブせずにいこうと思いましたが、水しぶきで何も見えず抜けないと思ったので、結局燃費を控えめにセーブしていました」

「それでも、チームから『もっともっと(セーブして欲しい)』と言われたので、それ以降は結構多めにセーブしました」

「最後にニック選手がすごい勢いで追いついてきたので、『もう限界』と(チームに)言いましたが、最後はギリギリで燃料が足りるとわかり、終盤の5周くらいは普通に走ることができました。3位に落ちなくて良かったです」

■ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)/決勝 3位

チームと最高のコミュニケーションをとり表彰台を獲得したニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)

「今日の3位にはすごく満足しているよ。実際のクルマの出来以上の結果が得られたし、上位2台に追いつくだけのパフォーマンスはなかったからね」

「計算上の問題があったけれど、今回のレースに関しては僕とエンジニア、マネージャーとのコミュケーションは最高だった。これほどしっかりとチームとコミュニケーションが取れたのは、今まで日本でレースをしてきてこれが初めてだったよ」

「ほぼ毎ラップ会話をしていたし、状況に合わせて相談しながらしっかりレースを組み立てることができたと思う。ただ前を走っていた関口選手の方がペースが速くて、『もしかして1ストップ作戦でいくの?』とチームに聞いたら『確認するから待って』と言われた」

「最終的には30周目あたりで、55周のレースではなくてタイムレースになって、2周くらい減算されることがわかり、エンジニアから『レースは短くなると思うから、行っていいよ』と言われたので、そこから自分のペースを2秒ずつ上げていったんだ」

「その時にすごくおかしかったのがあって、無線で話をしている時に(チームから)『ニック、ちょっと待って』と言われたんだ。でもそう言われたところで、『走っている僕はどうするの?』と思った。コミカルなやり取りになったよ」

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