壱岐が大村工に快勝 背番号「4」柳川が3安打完封

【1回戦、壱岐-大村工】被安打3で完封した壱岐の柳川=佐世保市総合グラウンド野球場

 離島のハンディを感じさせない強さを発揮した。壱岐が、部員95人を擁する大村工に4-0で快勝。原口監督は「守備が安定していた。全員で勝ち取った1勝」と初戦突破に笑みを浮かべた。
 背番号「4」の柳川がマウンドで躍動した。本来は二塁手。登板は主に中継ぎで、先発の経験は少ない。投球練習も2日に1回程度だったが、5月のNHK杯佐世保地区予選で自身が投げずに初戦敗退して「投手力の必要性を感じた」。それ以降、投げ込みや走り込みの時間を増やし、直球の切れや変化球のコントロールを磨いてきた。
 原口監督はそんな右腕を信頼し、先発に起用。その期待に応えるように、最速130キロ台中盤の直球にスライダーやツーシームを織り交ぜ、バットの芯を外した。被安打3で高校入学以来初めての完封。投のヒーローは「うれしかったけど、次がある。緩急をもっとうまく使っていきたい」と控えめに喜んだ。
 バックも一人一人が堅守でもり立てた。打者に合わせて守備位置を細かく変更。際どい打球にも追いつき、ピンチの芽を摘んだ。普段のシートノックでは、アウトカウントや走者を想定し、三つ先のプレーをイメージして練習している。併殺を2度完成させるなど、その成果も披露した。
 次は同じ離島勢の五島海陽とぶつかる。主将の大知がチームを代表して決意を語った。「目標は甲子園。さらに気持ちを引き締めていきたい」

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