歌丸さんの遺品ずらり 記念館に愛用品や「お宝」展示

記念館で展示される遺品の数々。歌丸さんの顔がプリントされた傘(左)は、人気演芸番組「笑点」の大喜利で使われた=横浜橋通商店街の高橋薬局

 横浜市南区出身で、昨年7月2日に81歳で亡くなった落語家・桂歌丸さんの一周忌に合わせ、遺品を展示する記念館が17日から3日間、地元の横浜橋通商店街(同区)にオープンする。家族ぐるみで親交を深めた商店街協同組合の高橋一成理事長が遺族から譲り受けた品々を並べ、生粋のハマっ子で希代の噺(はなし)家の在りし日をしのぶ。

 19日まで商店街の事務所に設けられる記念館には、人気演芸番組「笑点」の大喜利で使われた歌丸さんの顔をプリントした傘や「桂歌丸」と書かれた和傘、「UK」とのイニシャルが刺しゅうされたワイシャツ、芸歴60年を記念して作った扇子など、お宝ばかりが並ぶ。また独演会や桂歌丸一門会を定期的に催した三吉演芸場(同)でのネタ帳、高座で愛用した着物や扇子、手ぬぐいなども遺族から借り受ける予定だ。

 商店街は、歌丸さんが生涯暮らした自宅に近く、飲食店や理髪店など行きつけの店が数多くあった。生前に商店街の名誉顧問にも就任。今は永久名誉顧問として、あちこちに掲げられた横断幕に描かれた歌丸さんのイラストが、商店街を優しく見守っている。

 商店街は亡くなった翌日から、献花台を設置。1週間で1万人が足を運び、手を合わせた。高橋理事長は「一周忌に合わせて歌丸師匠をしのぶ場を作ることで、この商店街を愛してくれたことに感謝するとともに、さらなる発展を師匠に誓いたい」と話している。

 記念館は午前9時から午後5時までで見学無料。各日先着100人に、歌丸さんの写真をプレゼントする。問い合わせは、同協同組合事務所電話045(231)0286。

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