ピレリ、ハミルトンのファステストラップに驚き。「既に32周を走行したタイヤでの更新は最も注目すべきパフォーマンス」

2019 イギリスグランプリ 決勝

2019年7月14日、シルバーストン
 メルセデスのルイス・ハミルトンが、スリリングなイギリスグランプリを制し、同グランプリ6度目の優勝を達成しました。ハミルトンは、レース中盤のセーフティーカー導入周回中、ミディアムからハードへ交換し、当初の予定とは異なる1ストップ戦略を採りました。トップ3で唯一の1ストッパーだったハミルトンは、2位を20秒以上引き離し、ファイナルラップでファステストラップレコードを更新しました。レース全般を通じて、各P Zeroコンパウンドは非常に良く機能していました。

■キーポイント
・トップ5で4種類の戦略が見られたように、52周のレースで広範囲に渡る戦略が展開されました。
・トップ10グリッド中、メルセデスとレッドブルの4台がミディアムタイヤでスタートしました。メルセデスは1位と2位を、レッドブルは4位と5位を獲得しました。
・ソフトタイヤでスタートしたドライバー中の最上位は、3位を獲得したフェラーリのシャルル・ルクレールでした。
・セーフティーカー導入がターニングポイントとなりました。メルセデスのバルテリ・ボッタスを除く上位勢が、このタイミングを活かしてピットストップを行いました。
・レース中、ドライでクールなコンディションが続きました。過去2日間とは異なり、雨は全く降りませんでした。

■各コンパウンドのパフォーマンス
・ハード C1:驚くべきことに、32周走行済みの2019年型P Zeroレンジ中最も硬いコンパウンドが、ファイナルラップで、シルバーストンの昨年までのラップレコードを3.3秒短縮しました。

・ミディアム C2:ミディアムでのスタートが勝利戦略となりました。さらに、優勝ドライバーを含む6名が、ミディアムを使用した1ストップ戦略を実行しました。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ミディアムでスタート後、2ストップ戦略で5位を獲得しました。ボッタスも、ミディアムでスタートした2ストッパーでした。

・ソフト C3:ボッタスとレーシング・ポイントの両ドライバーのみが、ソフトタイヤでフィニッシュしました。オープニングスティントでは、多くのドライバーがソフトを使用しました。

■ピレリ カーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「今日の素晴らしいレースで、全3種類のコンパウンドは、それぞれ重要な役割を演じました。最も注目すべきパフォーマンスは、ハードタイヤを使用したルイス・ハミルトンによるものだと思います。ハミルトンは、既に32周を走行したタイヤで、ファイナルラップでファステストラップを更新しました。しかも、4Gを超える負荷を課すコーナーが存在する、シーズン中屈指の厳しいサーキットにおいてです。終始、アクション満載の接戦が展開された、レベルの高いレースが見られました」

「セーフティーカーが決定的な要素となりました。多くのドライバーが、この機を活かしてピットストップを行い、レースの様相が変わりました。セーフティーカー導入周回中にミディアムからハードへ交換したハミルトンの決断は、優勝の鍵となりました。我々は、レッドブルとウィリアムズとともにシルバーストンに留まり、2020年型コンパウンド開発の2日間テストに臨みます」

2019年F1第10戦イギリスGP ピレリインフォグラフ(1)
2019年F1第10戦イギリスGP ピレリインフォグラフ(2)

■コンパウンド毎のラップタイム上位:
・ハードタイヤ
ルイス・ハミルトン  1’27.369
マックス・フェルスタッペン 1’29.272
シャルル・ルクレール 1’29.313

・ミディアムタイヤ
セバスチャン・ベッテル 1’28.733
バルテリ・ボッタス  1’28.784
ルイス・ハミルトン  1’30.236

・ソフトタイヤ
バルテリ・ボッタス 1’27.406
ランス・ストロール 1’29.390
セルジオ・ペレス  1’29.456

■最長スティント:
ハード C1:ピエール・ガスリー 40Laps
ミディアム C2:アレクサンダー・アルボン 39Laps
ソフト C3:セルジオ・ペレス 22Laps

© 株式会社三栄