映画『歩けない僕らは』のジャパンプレミアに宇野愛海、落合モトキ、佐藤快磨監督が登壇!

先月香港の第13回Fresh Wave International Short Film Festivalでワールドプレミアを行った映画『歩けない僕らは』は、開催中のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019の国内コンペティション部門に正式出品され、本日ジャパンプレミアを行った。

本作は、岩井俊二プロデュースの連続ドラマ「なぞの転校生」、 映画『罪の余白』ほかで女優として活躍中の宇野愛海(なるみ)、『桐島、部活やめるってよ』「おっさんずラブ(2016)」の落合モトキ、NHK連続テレビ小説「なつぞら」門倉番長役の板橋駿谷、『空(カラ)の味』主演で第10回田辺・弁慶映画祭の女優賞を受賞した堀春菜、PFFアワード2016の観客賞受賞作『ヴァニタス』主演の細川岳、「いだてん~東京オリムピック噺~」の門田宗大、『運命じゃない人』の山中聡、本年逝去し、本作が遺作の1つとなった佐々木すみ江が出演し、回復期リハビリテーション病院の新人理学療法士と、彼女を取り巻く人々を描く作品。

監督は、初の長編映画『ガンバレとかうるせぇ』(出演:堀春菜、細川岳)がPFFアワード2014で映画ファン賞と観客賞をW受賞し、釜山国際映画祭ニューカレンツ・コンペティション部門に正式出品された佐藤快磨(たくま)。

ジャパンプレミアには、キャストの宇野愛海と落合モトキと佐藤快磨監督が登壇。Q&Aでは、現役の理学療法士の観客の方から、「新人の理学療法士さんの最初の挨拶の手順にのっとってぎこちない感じで患者さんに接する感じだとか、担当を変更させられた時の感じがすごくリアルで、心が痛くなりました」と感想があり、佐藤監督は、「回復期リハビリテーション病院を題材にということで、約1年ほど栃木の病院に通わせていただきました。療法士の方に監修についていただき、ご相談しながらだったんですけれど、回復期リハビリテーションは、国で決められた入院の日数が決められている」とのことで、それを反映したストーリーにしたと話した。

「登場人物たちがこれから歩んでいく感じに光があるように感じ、素敵に思えた」という観客の方からは落合モトキに、「実際は動くのに、左半身が動かないお芝居をする上で、どういったことを意識したか?」という質問があり、「僕も撮影前にリハビリテーションの施設に行かせていただいて、生の現場と患者さんを見させていただいて、言い方は悪いですけれど、観察をさせていただきました。自分の身近な親戚にも下半身が半身付随の人がいるので、見て、演じさせていただきました」と回答した。

医療従事者で20年ほど働いているという観客の方からは、「理学療法士さんの1年目の葛藤というのがすごくよくわかって、私もまだ悩みながら仕事をしているので、色々考えながら拝見させていただきました。仮題は『嘘とホームラン』というタイトルだったけれど、変えた理由は?」という質問があり、監督は、「最初は、遥がなぜ理学療法士を目指すようになったかという、遥と遥の彼氏の野球部時代の回想シーンがあったんです」と制作のエピソードが語られた。

男性のお客さんからは、「人の心の患部にぐりぐり手を突っ込むような映画だった。ラストシーンが印象的だった」と質問があり、「最初ラストは全く違うラストだったんですけれど、取材中セラピストの方が、『回復期リハビリテーションというのは、大切なのは、歩けることではなく、歩いて何をするかっていうことを一緒に考えていくことなんです』と聞いたときに、なんて仕事だ!と思った。患者さんは障害の残り方もそれぞれ違う中で、療法士さんは答えのない毎日を送っていて、そこにやり甲斐を持っていらっしゃって、それを聞いたときに僕の考え方がすごく作為的に思えてしまって」ラストを変えたと話した。

次回の『歩けない僕らは』のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019での上映は、7/19(金) 11:00より映像ホール。Q&Aには、宇野愛海、堀春菜、佐藤快磨監督が登壇予定。

(C)映画『歩けない僕らは』

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