時間旅行 1984 ― そのとき、あなたは何をしていましたか? 2019年 7月20日 イベント「DJ Party 時間旅行 1984」が開催される日

[なぜ 1984年なんですか?

会う人会う人からこんな質問を受ける。そう、今週の土曜日(2019年7月20日)に開催する DJ イベント『時間旅行 1984』のことだ。](https://reminder0720.peatix.com/?lang=ja)

あまり長くも話せないので、ちょうど 35年前で区切りがいいからですよ。なーんて答えてますが(実際こういう分かりやすさは重要だと思ってます)、さていったい 1984年ってどんな年だったのでしょう?

1984年(昭和59年)――

日経平均株価は1万円を超え、夏にはロサンゼルスオリンピックが開幕。テレビのニュースはグリコ・森永事件とロス疑惑を過剰なまでに報道。女子大生の髪型はボブが人気で、だいたいの男子はスタジアムジャンパーを着ていました(もちろん当時18歳の私も)。あ、木村カエラやケイティ・ペリーが生まれた年だったりもします。

洋楽に目を向けると、これはもう眩しくも壮観。エイティーズを象徴するヒットソングが続々と誕生しています。例えば、84年3月の全米シングルチャート・トップ10を見てみると…

■ ジャンプ / ヴァン・ヘイレン ■ ハイ・スクールはダンステリア / シンディ・ローパー ■ ロックバルーンは99 / ネーナ ■ スリラー / マイケル・ジャクソン ■ カーマは気まぐれ / カルチャー・クラブ ■ フットルース / ケニー・ロギンス

国内では、中森明菜が盤石の土壌を整えつつ、チェッカーズや吉川晃司が大暴れ。テレビには歌番組が溢れ、街を歩けばいたるところで流行り歌が聞こえてきました。そして大晦日の紅白で都はるみが引退、その視聴率は未曾有の 78.1%を記録しています。

一方、ここに興味深いデータがあります。日本レコード協会が毎年発表している音楽ソフトの売上を見てみると、この年なんと 2,741億円。これ、80年代以降現在に至るまで、史上最低の数字なのです(※1)。

面白いですねえ、最高の視聴率と最低の売上。音楽の共有感とマーケットが見事に反比例しています。音楽が「みんなに愛されるもの」から「特定のファンごとに好まれるもの」に変わっていく最初の年に記された象徴的な数字かもしれません。

指南役さんの唱える、東京が最も面白く、猥雑で、エキサイティングだった時代「黄金の6年間(1978 ― 1983年)」が終わり、スージー鈴木さんが「ドラマティックな時代の結節点」と謳った 1984年。

そうそう、アップルがマッキントッシュ(Mac)を発売したのもこの年でした。リドリー・スコットが手掛けたテレビCM は、ジョージ・オーウェルの小説『1984』をモチーフに、こんなナレーションで締めくくられます。

―― On January 24th, Apple Computer will introduce Macintosh. And you'll see why 1984 won't be like “1984”

―― 1月24日、アップルコンピュータはマッキントッシュを発表します。そして、1984年が小説『1984』に描かれているようにならない理由がわかるでしょう。

[35年前のティーンネイジドリーム。 そのとき、あなたは何をしていましたか?

そして 2019年。

忘れてしまったことは沢山あるでしょう。新しいビッグ・ブラザーが現れた困難な時代かもしれません。けれど、もう一度、爆音の中で「大切な何か」を思い出してみませんか?](https://reminder0720.peatix.com/?lang=ja)

※1: 一般社団法人 日本レコード協会発行「日本のレコード産業 2019」より。2012年以降は音楽配信売上も加えて算出。ちなみに、売上のピークは 1998年の 6,075億円。

カタリベ: 太田秀樹

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