【高校野球神奈川大会】長梅雨対策で奥の手「ドライヤー作戦」 グラウンド整備

バッターボックスの砂を必死にドライヤーで乾かす球場手伝いの部員たち=伊勢原市のいせはらサンシャインスタジアム

 夏の高校野球神奈川大会が真っ盛りだが、梅雨の影響で雨天が続いて県高野連も連日やきもきしている。大山の麓に位置する伊勢原市のいせはらサンシャインスタジアムは雨が降りやすく、グラウンドのぬかるみを整備するための乾いた砂がついに底をついてしまった。16日の試合前にはバッターボックスをヘアドライヤーで乾かそうという苦肉の策にまで打って出た。

 第1試合開始を1時間後に控えた午前10時すぎ。一度はやんだ雨が再び強くなってきた。本部室で見守る県高野連理事らはスマートフォンで雨雲レーダーとにらめっこしながら、「あと30分でやむ見込みですね」「あれ? さっきまでなかった雨雲が出てきたよ」と落ち着かない。結局、第1試合は中止となった。

 雨が上がれば選手を少しでも良い状況でプレーさせてあげようと必死に水抜きと整備をするのだが、今年は開幕から雨が続いたため、ぬかるみを直すために球場に準備してある乾いた砂を、全て使い果たしてしまった。

 そこで出た“奥の手”が、ヘアドライヤーだ。長年に渡って同球場の運営を支える須藤福治・元高野連理事は「砂を使い切ったのなんて初めて。せめてバッターボックスの打者の足元だけでも乾かせて気持ちよく打たせてあげたいと思って」。しかし、また雨が降りだし、感電を心配して「ドライヤー作戦」は中止となった。

 結局、知恵を絞った努力もむなしくグラウンド状況は改善せず、第2試合も午後2時過ぎには中止が決定。今後も県内は曇りや雨が多い見込みで、選手たちはもちろん、運営側も頭を悩ませる日々が続きそうだ。

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