H ZETTRIO 全国ホールツアー開幕、総立ちのなか新曲"Birds Fly"初披露。9月14日(土)より山口県を皮切りに全国へ!

今年に入り毎月1曲シングルを配信リリース、過去作も含め 30 作を超えるその全てが iTunes JAZZ チャート一位を獲得し続け、文字通り J-JAZZ シーンを牽引し続ける H ZETTRIO。5000 人収容の静岡グランシップ公演、アルバム再現ライブ、世界遺産である福岡県宗 像市宗像大社で繰り広げられた和楽器ユニットとのコラボレーションと今年上半期は 八面六臂の活躍で様々な話題を振りまいてきた彼らがついに下半期、年末まで続く全 国 25 カ所を回るホールツアー「H ZETTRIO TOUR 2019 -気分上々-」をスタートさせ た。 唯一無二のグルーヴと独自のエンターテインメントを追求しながら、進化し続けてき た彼らが3人だけで作り上げる空間とは。今回は、ツアー2 日目、7/13(土)町田市民ホール公演のライブレポートをお届けする。

梅雨の空気を吹き飛ばすかのように、東京都町田市・町田市民ホールは満員御礼。 会場にはペンライトを振りながら歩く H ZETTRIO と同じように鼻を塗った親子連れ や、音楽通と思しき年配の男性、幅広い年齢層の観客が駆けつけた。 大きな期待が会場を埋め尽くす中、テーマカラーをあしらった3本の巨大なバナーが 観客を迎える。

大歓声の中、客席の灯りが落とされると、メンバー3人が登場。当日のチラシを顔の前 にさげ、さっそくおどけて笑いをとる H ZETT M。 しかし、一度ピアノに手を触れると空気は一変、凄まじい指さばきから繰り出される 音が一気に観客を引き込んでいく。

ファーストアルバム収録の「PARTY TIME」から始まり、「Z ディスカバリー」「幻想ノ スタルジック」。疾走感とキャッチーなメロディー、彼らの魅力が詰まった楽曲が続 き、出だしから観客は大盛り上がり。

MC を挟んで「Trio, Trio, Trio!!!」ではお馴染みのショルキーをボコーダーとして使用。スタンドマイクで歌っているかのような姿が非常に新鮮だ。時折生声での「町 田!」を挟み、笑いを取りながら、さりげなくボコーダーの仕組みを伝えていくという彼独特のコミュニケーションで観客との距離を縮めていく。そして「SEVEN」から 「Relax Time」へ。観客たちと指を鳴らしながら甘いメロディーを奏でていく。グラ ンドピアノとキーボードを自在に操り、ドラムとベースがその現場で音楽の幅をさらに広げていく。3 人のアンサンブルがその場で進化していくのが彼らのライブの醍醐味 だ。

そして、「Lovely」「Journey」では PV 映像と共に演奏。今年に入って毎月新曲をリ リースし、PV も続々と公開、そのバラエティ豊かな映像作品も見どころの一つ。これ が生の演奏と共に届けられる、贅沢な時間となった。そして「落陽」とスローな楽曲を挟み、なんと H ZETT M のソロタイム。これまで H ZETTRIO のライブではあまり見られなかった演出だ。積み重ねられていく音の数が尋常 ではない。その指さばきに観客からは大歓声。 そしてそのまま「炎のランニング」 へ。ここで衣装と同じイメージのカラフルな水彩画のバックドロップが登場。ステージはまたもその様相を変える。

そして、圧巻の H ZETT NIRE によるベースソロ。弓も指も使い、ウッドベースの響き をたっぷりと観客に届け、そこから 9 月 1 日にリリースがアナウンスされている 「NIRE The Bassman」に突入。リリース前だが、4 月末の大阪城音楽堂で初披露されて 以来ファンの間では大きな話題となっている楽曲だ。クールなベースフレーズに観客 は大盛り上がり。ライブでしか聴けない新曲に会場の熱が急上昇していく。そして「Virtual World (Jazz)」から H ZETT KOU のドラムソロ。無限とも思える彼の 豊富なドラムワークの引き出しに、観客は息を呑む。

今回はメンバーそれぞれのソロタイムが設けられ、3人それぞれの魅力が全開となって伝わる今回のツアー、見どころ満載で時間があっという間に過ぎていく。最後は立て続けに「Next Step」から「Beautiful Flight」「Mysterious Superheroes」で本編が終了。予想以上の進化を遂げた H ZETTRIO に割れんばかりの歓声が送られる。そのアンコールに応え、再び登場したメンバー。「私は知っている、 私は知っているよ、、、皆さんのお尻が痛くなってきたことを」とまたもや H ZETT M 独特の MC に観客は総立ちとなり、まさにライブハウスのような熱気に。そして 7 月 1 日に配信されたばかりの新曲「Birds Fly」を初披露。今冬公開のアニメ 映画のメインテーマとして発表された激しく美しい話題の楽曲と映し出されたライブ 映像に観客は大興奮。観客は思い思いに体を揺らし、これまで以上の一体感が会場を包む。

そして最後はツアータイトルでもある「気分上々 - Woo - he!! -」。再び登場したバ ックドロップにはなんと「H ZETTRIO Feel So Good」の文字が光り、浮かび上がる。 何段階にも仕組まれた演出、最後の最後までエンターテインメントに溢れたステージ は幕を閉じた。

随所に演出があり、濃い内容で届けられた本公演だが、ツアー内容はさらに進化して いくとのこと。一体 H ZETTRIO はどこまで進化していくのか。次回は8月23日(金)かつしかシンフォニーヒルズ、そして9月14(土)山口県シンフォ ニア岩国から網走、小樽、座間、香川とついに本格的に全国へ乗り出す、 すでに売り切れの公演も出ているこのツアーだが、各地若干のチケットが手に入る会 場もある。ぜひ早めのチェックをおすすめしたい。(photo:Yuta Ito )

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