まるでドミノのよう!青森・高山稲荷神社の千本鳥居

千本鳥居と言えば京都の伏見稲荷大社がよく知られていますが、実は青森にも千本鳥居が据えられている神社があります。鳥居の朱色は、春は八重桜のピンク、夏は木々の緑に映えます。晩秋には枯れた景色に彩を添え、冬は雪の白とのコントラストが美しく、四季折々の美をみつけることができるのです。

そもそも千本鳥居とは?

鳥居は、神社の内側と外側の境界に立てられています。鳥居を見れば、ここから先は御神域なのだなと人々は認識します。鳥居の朱色には魔力をはねのける力があるとされ、ある意味結界のようなもの。

そんな鳥居がなぜ多く並んでいるのでしょうか。江戸時代以降、願い事が「通った」お礼の意味を込めて鳥居を奉納するという習わしが広まりました。願い事が叶うことを見込んでの奉納もあったようです。

ときどき、鳥居に「奉納」という文字と共に、人の名前を見ることがあると思います。女優の小泉今日子さんが奉納した静岡県の伊豆山神社の鳥居が有名です。鳥居を納めるとはなかなか太っ腹でカッコいいお礼の仕方ですよね。

高山稲荷神社の鳥居

高山稲荷神社には、高さ2mほどの鳥居が202基(2018年5月時点)据えられています。これらのほとんどを村人が奉納したそうです。

こちらの神社に祀られているのは、五穀豊穣、海上安全、商売繁盛の神様です。先代の宮司さんが、高山稲荷神社には五穀豊穣の神がいることから、神事を極めたいのであれば農耕が大事なことと信じて精を出しました。それをきっかけに村人との交流が増え、地域と一体になるという得難い状況が生まれたとのこと。それが、村人が鳥居を奉納するということにつながったのですね。

家内安全・病気平癒・道中守護・憑物落としにもご利益があるとされ、地元だけでなく、遠くからも津軽半島中部の沿岸部である、つがる市のこの神社まではるばるやってくるそう。

特に北海道新幹線が開業した2016年にJRが注目したことで、参拝客がぐっと増えました。また近頃は、台湾、中国などを中心とした外国人観光客もフォトジェニックなスポットとして人気を集めています。

神社は高台にあるため日本海の眺望が楽しめるほか、明治時代より全国からお役目を終了したきつねの石像が寄せられていて、その並ぶさまも圧巻です。

高山稲荷神社

住所:青森県つがる市牛潟町

TEL:0173-56-2015

https://www.aptinet.jp/Detail_display_00000530.html

交通:五所川原駅より弘南バス小泊線(十三経由)乗車(所要時間約40分)、高山神社入口下車、タクシーで約5分

[All photos by APTINET Aomori Pref.]

(参考)

まるごと青森

朝日新聞

伏見稲荷大社

神社本庁

JR東日本

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