アジングの名手が語るファイトのイロハ。魚の違和感を支配せよ!【家邊克己】

0.25号PE、1.2号リーダーで超速ファイトをみせる幅広のご覧の青物も無理なく仕留める家邊さん。こちらはシンガポールでのワンカット。

アジングのタックルの可能性を、アジ釣りだけにとどめるのはナンセンス? アジングの達人として知られる家邊克己さんの、釣りが規格外過ぎた! 「0.25号のPEで、50cmクラスのハタですか? 無理でもなんでも無く簡単に釣れるし、小さいワームでやると釣りも簡単ですよ(笑)」その特殊かと思われたランディング術は実は誰でも試せる簡単なモノだった? そのあたりを解説していきます!

ライトゲーム特化メーカー、サーティフォー代表。アジングの達人。家邊克己さん。アジングのパイオニア的存在。

極細だし、無茶じゃない!?

「こんなこと言うと怒られるかもですが、ルアーの人はパワーゲームをしすぎです。0.25号のPEで、50cmくらいのハタを止めるなんてワケないですよ。まずはハタのやりとりから基本を解説しましょうか」

ハタはパワーゲームと相場は決まっているが!?

家邊さんのファイト理論は実に合理的。順を追って解説していくが、ライトタックルに限らず実践できるとのこと。まずは基本から聞いてみよう。

「単純に魚はファイト中にバックできません。なので、楽に手元に寄せたいなら、魚の方向を自分になるべく向かせてゴリ巻きすれば良いんですよ」

さも、簡単な話みたいな口ぶりですね(笑)

「一度に解説するのもあれですから、ゆっくりファイト方法についてはお話しますが、なにも珍しい話ではないんですよ。磯のフカセ釣りをやられているような方にとっては、今更なテクニックかもしれません」

たとえばハタ。ルアーに根などの下方向からバイトして、反転して根に戻りますよね? そんな魚の向きを、釣り人方向に向けるのはパワーゲームでなくては難しく感じるのですが。

ハタの突っ込みはライトタックルでは止めれない気がするのだか、家邊さんは難しくないと断言。

「それは簡単。魚は痛覚がないですよね? なぜ、ルアーに喰いつくと暴れるのかと言うと、違和感に対してなんですね」

はい。それは良く言われますね。

「なら、違和感を穏やかにすれば良いんですよ。ハタのような反転バイトする対象魚は一度、アワセをくれてやり(アワセは要らない場合も多い)、テンションを抜いてください」

テンションを抜く?

「ロッドを倒すだけで良いです。テンションを抜いてフックが外れるのは、ちゃんとフッキングできてない時だけです。逆にフックのフトコロにまで貫通して、しっかりフッキングしていれば、テンションを抜いても、そうそう抜けたりしませんよ。バーブレスフックであっても抜けません。ルアー釣りの方は、テンションを抜くことを極端に嫌いますよね。でも、この考え方、エサ釣りでは普通にあります」

後は、魚の向きを自分に向くように穏やかに誘導すれば良いと言うことでしょうか?

「その通りです(笑)」

そんな簡単にいきますか? 家邊さんは、フッキングが正しく決まることは重要だとおっしゃいましたよね。フッキングはつまり大きな違和感。初動で主導権握られませんか?

「せいぜい、その初動で走られて水深30cm。なので、ルアーで誘い出す水深を最低ボトムから1mは上げておいて欲しいですね。そうすれば、初動の違和感で根に入られることはありません」

後は魚を自分の方向に向かせるテクニックですがコツがいるんでしょうか?

「それは難しくありませんよ」

0.25号PE、1.2号リーダーで超速ファイトをみせる幅広のご覧の青物も無理なく仕留める家邊さん。こちらはシンガポールでのワンカット。

その方法は次回としましょう! 眉唾なテクニックかと思われるかもしれないが、過去の取材でも許容を超えてると思われるサイズの魚をランディングしてきているのを目の当たりににしているし、家邊さんのランディング術が凄いのは確かなのだ。という事で次回以降もご期待あれ!

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