久保建英がフベニルA(ユース)に登録された理由 メッシ、ヴィニシウスも使った裏技とは?

久保建英がレアル・マドリーのフベニルA(フベニールとも)に登録された。これはU-19以下のカテゴリーでトップのカテゴリーである。つまり、トップチームやカスティージャ(Bチーム)ではないユース年代へ登録された。それは何故だろうか?

まず、スペインのチームにおけるピラミッドをおさらいしたい。

スペインのチームにおけるピラミッド

スペインでは7~8歳のレベルにあたるプレベンハミンからスタートし、実力があれば同じ年齢でもAチーム、Bチームと上のカテゴリーへ進み、上のカテゴリーで通用しなければ1つレベルを下げるというピラミッド構造がある。

下記はレアル・マドリーのピラミッド構造だ。

プレベンハミン 7~8歳
ベンハミンA、B 9~10歳
アレビンA、B 11歳~12歳
インファンティルA、B 13歳~14歳
カデーテA、B 15~16歳
フベニルA、B、C 17~19歳

チームごとに各年齢層におけるチーム数は異なる。例えば、レアル・マドリーならフベニルはA、B、Cの3チームであるがBまでのところもある。反対にバルセロナならばアレビンはAからDまで4チームであるがレアル・マドリーではA、Bしか存在しない。

フベニルAからの昇格先はレアル・マドリー・カスティージャである。かつてはレアル・マドリーCという3軍チームが存在したが2015年に消滅している。

フベニルAなら外国人枠が障害にならない

では、何故久保はフベニルAに登録されたのだろうか?答えは外国人枠にある。

リーガ・エスパニョーラの外国人枠は3枠である。ただし、EU、トルコ、EFTA、コトヌー協定に該当するアフリカ諸国の選手は外国人扱いにはならない。また、5年以上スペインのクラブに在籍することで市民権獲得ができる。枠数こそ少ないが、実際に外国人選手となると南米やアジアの一部の選手に限られるケースが多い。

現在、レアル・マドリーに在籍する外国人はエデル・ミリトン(ブラジル)、ロドリゴ・ゴエス(ブラジル)、ヴィニシウス(ブラジル)らがおり、飽和状態となっている。

ウルグアイ代表のフェデリコ・バルベルデはスペイン国籍を取得予定で問題ないとしても、現状では久保ははじきだされてしまう。そのための裏技がフベニルAへの登録である。

ユースの選手はトップチームでプレーする時には26番以上の背番号をつけ“ユースの選手として”出場する。ユースの選手は国籍は問わない。つまり、外国人枠にカウントされないのだ。この手法は昨年のヴィニシウス(28番)でもそうであったし、もっと言えばリオネル・メッシもバルセロナでスペイン国籍がまだないユース所属の頃は同じような方法でトップチームでプレーした。

フベニルAに所属していようが、カスティージャやトップチームでプレーできることは変わらない。ただ、こうした裏技がリーガにはあり、過去のスター選手も起用を探るべく同じ道をたどったということは面白い事実だ。

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公式サイト日本語版では久保がフベニルAに登録されたニュースに際し、同選手を「並外れた技術があり非常に起用で試合を読む力と高いドリブル能力、得点力を備える攻撃的ミッドフィールダー。」と誤字まじりの日本語で紹介した。

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