農産物、生育不良目立つ 「梅雨寒」影響 茨城県、一層の育成管理呼び掛け

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低温の影響で変形し出荷できないナスを手に取る斉藤利男さん=水戸市河和田町

東日本を中心に続く日照不足や低温による「梅雨寒(つゆざむ)」で農産物への影響が茨城県内でも出始めてきた。天候不順の影響を受けやすい夏野菜で特に収量減少や生育不良が目立つ。県は「日照不足による草勢の低下や生育遅延、病気の発生なども懸念される」(県産地振興課)とし、農業関係者に一層の育成管理を呼び掛けている。

県内で最盛期を控えるナスが不作だ。水戸市河和田町で約25年ほど露地栽培する斉藤利男さん(67)は「この時期にこんなに取れないのは1993年の冷夏のとき以来」と嘆く。低温による変形や日照不足で実が丸く肥大して規格外の形となり多くを廃棄した。JAを通じて市場に出荷しているが、出荷基準を満たさない状態が続き、例年より20日ほど遅れてようやく17日に初出荷の袋詰めを行った。

従来ならば7月中旬は出荷量が増え始める季節。斉藤さんは「今年はこれから暑くなっても生育に10日ほど余計にかかりそう。今後の市場価格にもよるが、遅れた分を取り戻すのは厳しい」と話した。

5市町で農家約100人が生産する「奥久慈なす」を出荷しているJA常陸によると、生育が遅く、収量も少ない。実に曲がりが多く見られ、3〜4割を廃棄し歩留まりは悪いという。担当者は「梅雨が明ければ収量は回復すると思うが、8、9月に量販店が取り扱うスペースを減らす可能性がある」と高値が続く状況を心配する。

県農業総合センターは「果菜類は日照不足で着果がうまくいかず実につながらなくなってしまう。今後の収穫が心配」と話す。県鹿行農林事務所も「トマトの出荷のピークがなかなか来ず、色づきも時間がかかっている」とした。

いばらきコープ生活協同組合(水戸市)の店舗では「昨夏は出なかったニンジンやジャガイモなど根菜が売れている。消費者が低温で買う作物を変えている」と指摘している。(大貫璃未)