文化財復旧の意義学ぶ 上天草市・松島中で出前授業 

©株式会社熊本日日新聞社

文化財復旧事業の意義について解説する県文化課の職員=上天草市

 熊本県上天草市の松島中で13日、熊本地震で被災した文化財の復旧活動や県内に残る災害関連の石碑について学ぶ出前授業があった。県文化課職員が講師。全校生徒約150人と保護者が聞いた。

 被災文化財を復旧させる活動に理解を深めてもらう目的。同課職員は熊本地震で倒壊した阿蘇神社の楼門を紹介し、部材に残る書き込みから、江戸時代の棟梁[とうりょう]の名前が分かると解説した。「当時の様子や技術を物語る宝物。費用はかかるが後世に残す価値がある」と話した。

 1792年にあった雲仙・普賢岳の爆発に伴う大災害「島原大変肥後迷惑」で、津波が押し寄せてきた地点や遺体が流れ着いた場所に残る石碑も紹介。調査で「全てを置いてすみやかに避難を。日頃から逃げ道を確保して」という意味の文が彫られていたことが分かった例を挙げ、教訓を未来に伝えることの大切さを訴えた。

 出前授業は2018年度から同課が、県内各地に職員を派遣。19年度は同中を皮切りに19小中学校で行う。(大倉尚隆)

(2019年7月18日付 熊本日日新聞朝刊掲載)