令和の選択 参院選長崎終盤ルポ・4 <諫早市> 「地の利」か「勢い」か

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候補者の懸命な訴えが続く=諫早市内

 選挙戦残り1週間となった14日朝。自民現職の古賀友一郎候補(51)の選挙カーが、諫早市小長井町内をくまなく回っていた。道路沿いで待つ人、窓から手を振る人-。母の実家がある「古里」だけに反応はいい。「頼みは皆さんの人脈と口コミ」。古賀候補は雨にぬれながら駆け寄り、しゃがれ声でマイクを握った。
 自民系市議たちが車を先導し、各地区でミニ集会を重ねる“選挙スタイル”が、この日もフル回転。祭り会場では宮本明雄市長も支援を呼び掛けた。「他の市町から『諫早は盛り上がっている』と言われるが、普段通りやっているだけ」。陣営関係者は事もなげだ。
 同市選出の県議4人のうち県議会会派「自民・県民会議」の八江利春、中村和弥両県議を中心に結束。市外から聞こえる自民県議団分裂の“不協和音”にいら立ちを隠せない。「(古賀候補は)諫早の宝、県のホープ。小さなことにくよくよせず、堂々と自信を持って戦えばいい。(古賀候補に近い自民・県民会議の県議が大半を占める)諫早と島原半島で他の市町分までリードする」。八江県議は息巻く。
 「霞が関(中央官庁)目線。地域課題に対する話を聞きたい」-。地元でも漏れ聞こえる声に配慮し、八江、中村両県議は、応援演説で国営諫早湾干拓事業などの地域課題を欠かさない。古賀候補は農業基盤整備による他市の出生率増加を例に挙げたが、中村県議は「まだ足らん。地元が知りたい話題をもっと話さないと」とハッパを掛ける。
 15日夕。国民民主新人の白川鮎美候補(39)は真っ赤に日焼けした顔で集会会場の諫早公園に立った。共闘する立憲民主、共産、社民の市議らも結集。「生活に不安を抱える市民の声を国政に届ける」。白川候補は“生活者目線”をアピールし、会場を駆け回った。
 「短期間で小学生から高校生まで成長したよう。後は“合格”するかどうか」。諫早地区選対長の山口初實県議は白川候補の出馬表明後、週一回の朝立ちや支援者へのあいさつを“二人三脚”で地道に続けた手応えをにじませる。山口県議が議席を奪還した4月の県議選の勢いも持続。自民支持者でさえ「イメージ戦略が効いているのか、(白川候補の)悪い話は聞かない」とささやく。
 懸念材料は投票率。直近の県議選諫早市区は46.83%。両陣営とも「5割を超してほしいが厳しい」と分析。古賀陣営は6年前、同市出身の民主(当時)現職を大差で破り、今回も“地の利”を生かした得票増へ会合を重ねる。対する白川陣営は「地元での強さは分かっているが、相手が本気で動いているのか見えてこない。投票率が上がれば、有利になるのはこっちだ」。“反自民票”の上乗せへ攻勢をかける。