WEC:山下健太の初陣、2019/20年開幕戦シルバーストンのエントリー発表。レベリオンは1台のみに

 7月17日、WEC世界耐久選手権は8月30日~9月1日にかけて、イギリス・シルバーストンで行われる2019/2020年シーズン第1戦シルバーストン4時間レースの暫定エントリーリストを発表した。先日、今季のWECフル参戦が発表された山下健太のデビューラウンドとなる開幕戦には、LMP1からLM-GTE Amクラスまでの4クラスから合計30台が出場する見込みだ。

 昨季の2018/2019年“スーパーシーズン”に引き続き、年を跨いでの開催となるWECの2019/2020年シーズン。9月に開幕する今季はイギリス、日本、中国、バーレーン、ブラジル、アメリカ、ベルギーと世界各地を転戦し、フランスの伝統的エンデュランスイベント、ル・マン24時間で最終戦を迎えることになる。

 そんな2019/2020年シーズンのオープニングイベントとなるシルバーストンには、トヨタが王者防衛を図るLMP1、山下健太のデビューが決定したLMP2、欧州自動車メーカーのワークスが激突するLM-GTE Pro、最多11台と盛況のLM-GTE Amの4クラスから、あわせて30台がエントリーしている。

 最高峰カテゴリーのLMP1クラスでは、TOYOTA GAZOO Racingのドライバーラインアップが確定。フェルナンド・アロンソが抜けた8号車にブレンドン・ハートレーが加わり、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴とともにマシンをシェアすることになった。

 一方、プライベーターチームのSMPレーシングがフルシーズンエントリーを取り消したことで、4チーム計8台から3チーム6台へと台数が減ることになった同クラスは今回、有力プライベーターであるレベリオン・レーシングが1台体制に切り替えたことによって、さらに参戦台数が減少することに。そのレベリオンは3名のドライバーをTBAとし、ジネッタのLMP1カーを走らせるニューカマー、チームLNTもチャーリー・ロバートソンとマイケル・シンプソン以外の4名がTBAとなっている。

 LMP2クラスは、4つの新規参戦チームを含む8台がエントリーリストに名を連ねた。新参チームはいずれもELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズからステップアップを果たすエントラントで、このなかのひとつであるユナイテッド・オートスポーツが、マシンをリジェJS P217からオレカ07にスイッチしてきたのはトピックスのひとつといえるだろう。

 また、同クラスはシリーズ内で唯一、タイヤメーカーのコンペティションが行われており今シーズンはミシュランと、ダンロップに代わるかたちで参入してくるグッドイヤーの2メーカーが激突する。ミシュランを選択しているのはユナイテッド・オートスポーツ、王者シグナテック・アルピーヌ・エルフ、クール・レーシング、チェティラー・レーシングの4チーム。対するグッドイヤーは山下を擁するハイクラス・レーシングのみで、残る3チームについては現時点で明らかにされていない。

メカクロームからAERにエンジンサプライヤーをスイッチしたジネッタG60-LT-P1

 LM-GTEクラスはProが6台、Amは11台というエントリーに。各メーカーのワークスドライバーが送り込まれるプロフェッショナルクラスでは、BMWとフォードの撤退によって2015年シーズン以来、4季ぶりにフェラーリ、ポルシェ、アストンマーティンの三つ巴戦が展開されることになる。なお、各陣営のドライバーラインアップに大きな変更はないが、王者ポルシェがタイトル防衛のために911 RSRの新車を導入することは周知のとおりだ。

 スーパーシーズンから2台増の合計11台での争いとなるAmクラスでは、昨季デビューイヤーながらチャンピオンを獲得した、チーム・プロジェクト1が2台体制へとチーム体制を強化している。

 一方、新参のレッドリバー・レーシングや石川資章率いるMRレーシングなどのフェラーリ勢は、2019/20年シーズンからフェラーリ488 GTEのエボモデルが使用可能となった。同様にアストンマーティン・レーシングとTFスポーツも第2世代のバンテージAMRを導入し、タイトル獲得に向けて反撃に出る。

 暫定エントリーリスト発表時点で14名のイギリス人ドライバーが参加予定のWEC第1戦シルバーストンは8月30日に開幕。決勝は9月1日に行われる予定だ。

母国ラウンドで開幕戦ウインを狙うアストンマーティン・レーシング

■2019/2020年WEC第1戦シルバーストン 暫定エントリーリスト(7月17日版)

No. Class Team Car Driver

1 LMP1 レベリオン・レーシング レベリオンR13・ギブソン TBA
TBA
TBA

5 LMP1 チームLNT ジネッタG60-LT-P1・AER C.ロベルトソン
TBA
TBA

6 LMP1 チームLNT ジネッタG60-LT-P1・AER M.シンプソン
TBA
TBA

7 LMP1 トヨタ・ガズー・レーシング トヨタTS050ハイブリッド M.コンウェイ
小林可夢偉
J-M.ロペス

8 LMP1 トヨタ・ガズー・レーシング トヨタTS050ハイブリッド S.ブエミ
中嶋一貴
B.ハートレー

22 LMP2 ユナイテッド・オートスポーツ リジェJS P217・ギブソン P.ハンソン
F.アルバカーキ
P.ディ・レスタ

29 LMP2 レーシングチーム・ネーデルランド オレカ07・ギブソン F.バン・イアード
G.バン・デル・ガンデ
J.バン・ウィタート

33 LMP2 ハイクラス・レーシング オレカ07・ギブソン M.ピーターソン
山下健太
A.フィヨルドバッハ

36 LMP2 シグナテック・アルピーヌ・エルフ アルピーヌA470・ギブソン A.ネグラオ
P.ラゲ
T.ローラン

37 LMP2 ジャッキー・チェン・DCレーシング オレカ07・ギブソン H-P.タン
G.オブリ
W.スティーブンス

38 LMP2 イオタ オレカ07・ギブソン R.ゴンザレス
P.マルドナド
A.デビッドソン

42 LMP2 クール・レーシング オレカ07・ギブソン N.ラピエール
A.ボルガ
A.コニー

47 LMP2 チェティラー・レーシング ダラーラP217・ギブソン R.ラコッテ
A.ベリッチ
G.セルナジョット

51 LM-GTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo J.カラド
A.ピエール・グイディ

71 LM-GTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo D.リゴン
TBA

91 LM-GTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR G.ブルーニ
R.リエツ

92 LM-GTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR M.クリステンセン
K.エストーレ

95 LM-GTE Pro アストンマーティン・レーシング アストンマーティン・バンテージAMR M.ソーレンセン
N.ティーム

97 LM-GTE Pro アストンマーティン・レーシング アストンマーティン・バンテージAMR A.リン
M.マルタン

54 LM-GTE Am AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo T.フロー
F.カステラッチ
G.フィジケラ

56 LM-GTE Am チーム・プロジェクト1 ポルシェ911 RSR E.ペルフェッティ
D.ハイネマイヤー・ハンソン
M.カイローリ

57 LM-GTE Am チーム・プロジェクト1 ポルシェ911 RSR J.ベルグマイスター
TBA
TBA

62 LM-GTE Am レッドリバー・スポーツ フェラーリ488 GTE Evo B.グライムス
J.モウレム
C.ホーリングス

70 LM-GTE Am MRレーシング フェラーリ488 GTE Evo 石川資章
O.ベレッタ
E.チーバー

77 LM-GTE Am デンプシー・プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR C.リード
M.キャンベル
TBA

83 LM-GTE Am AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo F.ペロード
E.コラール
N.ニールセン

86 LM-GTE Am ガルフ・レーシング ポルシェ911 RSR M.ウェインライト
B.バーカー
TBA

88 LM-GTE Am デンプシー・プロトン・レーシング ポルシェ911 RSR T.プライニング
TBA
TBA

90 LM-GTE Am TFスポーツ アストンマーティン・バンテージAMR S.ヨロック
C.イーストウッド
J.アダム

98 LM-GTE Am アストンマーティン・レーシング アストンマーティン・バンテージAMR P.ダラ・ラナ
TBA
TBA

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