コマを動かし、脳を鍛える 最強の対人ボードゲーム Chess for Beginners with Rafael

対戦中は頭をフル回転。次の一手を見据えて沈思黙考が続く

ロンドン在住のチェスコーチ、ラファエル・オルティス・カバレロさんによるグループレッスン「チェス入門講座」が、ユニオンスクエアで行われている。

27歳でチェスの面白さに目覚めたラファエルさんは、ロンドンの学校で子供たちに教えていたが、現在は世界中を旅してゲームに興じながらクラスを開催。「チェスはいくつになっても始められて、人に教えることもできる。僕がそのいい例です」と笑う。

「チェスの起源は、古代インドのチャトランガというゲームといわれています」と歴史を簡単に説明した後、先手・後手それぞれが6種類16個の駒を使うという基礎から教えていく。

「まず、白マスが右になるように駒を置きましょう」と、実際にチェス盤の上で駒を動かしながら指導が続く。「ナイトはジャンプできて、ビショップは斜めに動ける」「クイーンは最強」と、一つ一つの駒の役割とどういう動きができるかを解説する。

チェスは2人で行うボードゲーム。クラスでは実際に対戦し、駒の動かし方やルールを学んでいく

その合間に、チェスのメリットも紹介する。「チェスは脳の全パートを使うので脳トレ効果があり、記憶力が向上するので認知症予防になる」そうだ。

そしていよいよ対戦。この日参加の4人は全員初チャレンジ。「ここにビショップを動かしてみては?」「そこは一つ前に動かした方がベターかも」と、ラファエルさんがヒントを与えながら、なぜそう動くといいのかを説明。「そうか、次の次の次の手まで読んで動かさないといけないんですね」と、生徒も少しやり方が分かってきたようだ。

「ほら、キングに向かって行くことばかり考えていたらダメ」と指摘されて「あ、クイーンのことを忘れていた」と慌てて手を変えると、「そう! それはいい動きだね」と褒められていた。

子供を連れて参加した奥仁美さんは、「相手の手を考えながらストーリーを組み立てて行くのが面白かったです。頭の体操にもなって、ジムで運動した後のようなスッキリ感がありました」と楽しんでいる様子だった。

金融関係会社に勤務の野口紀子さんは、「息子が7歳からチェスを習っています。アメリカでは、親が子供の人生の質を高めるためにチェスを習わせているそうです。広い視野で考える力を付け、年齢や人種を超えてつながれるところに魅力を感じます」と話す。

明子・石亀・ペーガンさんは、「子供の教育に良さそうなので、基礎を知っておきたくて参加しましたが、脳やメンタルのトレーニングになると実感しました。引いているように見せ掛けて攻める、罠にはめるやり方を習ったので実践してみました(笑)。6歳の息子がはまりそうです」と喜んでいた。

ラファエルさんは、「生徒さんは皆ゲームをよく理解してどう動けばいいか分かっていて、とてもいいゲームでした」とうなずいていた。

Chess for Beginners with Rafael

初心者対象のグループレッスンを不定期で開催している。
日程や場所などの詳細についてはEメールで問い合わせること。
【問い合わせ】naoko.tf@gmail.com

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