テレビ局幹部にズバリ聞いた 「ジャニーズ事務所からの圧力はあったのか?」 タレントが古巣を離れると“干される”不思議

画像は圧力をかけられたのではないかと思われる、BOYS AND MEN×『ボイメンの試験に出ない英単語』 『ボイメンかるた OVER THE WORLD~おばわろ! ~』 より

今月9日、ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏が、くも膜下出血のため亡くなりました。この突然の訃報で大きな屋台骨を失ってしまったアイドル帝国は、これからますます一丸となって前代から受け継いだ伝統を守りつつ、次代に手渡さなければならない大仕事が待ち構えていました。

しかし、ジャニーズの主を亡くしてあっという間、早速出鼻をくじかれる壁にぶつかってしまいました。

元SMAPの3人を民放テレビ局に出演させないよう裏で圧力をかけた疑いがあるとして、公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意をしたことが報じられたのです。「社長が亡くなった途端、このタイミングでの注意喚起には深い意味がありそう」と話すのは、民放テレビ局幹部。

「まず、タレントが急に古巣の事務所を離れることは珍しいことではありません。どんな理由があってのことなのか、当人同士しかわからないことですが、それは例えば金銭トラブルだったり、よその事務所から声がかかる、つまり引き抜きであったり、あるいは長年連れ添ったスタッフが先に退職してそれを追う形で個人事務所を立ち上げたりなど様々。表向きには円満退社と報じられますが、どんなケースであれ、いわゆる〝一時的に干されてしまう〟ということは避けられないことだと思うんです」(テレビ局幹部)

それはなぜなのでしょうか?

「無名から一人前のタレントにまで育てたのは事務所だからです。会社としては手塩にかけて育てた子供が、知名度が上がった途端に会社を辞めて他所へ移るというのは、ちょっと恩知らずだと思うんですよね。だからと言って、やり返すではないですけど、テレビ局に〝あいつを当分使わないで〟と圧力をかける行為は、パワハラと捉えられてもおかしくないことだし、絶対にあってはならないこと。ですが、タレントを起用する局は、なにも事務所の言いなりになっているのではなくて、なぜあのタレントは突然事務所を離れることになったのか、そういった背景を読み解く努力をします。簡単に言えば、空気を読むということになるんですかねぇ。とにかくその上で、その事務所との付き合いの長さや今後のことを踏まえて、最終的に局として、離れていった者を番組として起用するかしばらくやめておくかを熟考します」(同上)

年々取りざたされる事務所とタレントの契約トラブル、または確執。国民的アイドルだった女優の能年玲奈は、独立報道後にあからさまに仕事を干された挙げ句、改名を余儀なくされました。能年玲奈という名前は、彼女の本名。どんな背景があったにせよ、本名まで奪われる形となったのは、世間に大きな衝撃を与えました。ほか、いまだ決着がつかず痺れを切らしたのか、日本を離れてアメリカ在住となったモデルのローラ。最大手とされるバーニングプロダクションから独立した女優の水野美紀は、たちまちテレビ局からのオファーが途絶えました。数えたらキリがありません。

それではズバリ、前出の民放テレビ局幹部に、ジャニーズ事務所は元SMAPの3人に対する圧力を行なっていたのか聞いてみました。

「言いづらいことですけど、それなりにありましたよ。しかしそれは、ジャニーズに限らずですけどね。仲の良い仕事仲間に本音をポロリというのは、よくあることですよ。〝あいつらを番組で使わないで〟という直接的な言葉ではなくて、〝非常に困っている〟とか、〝とてもデリケートな問題なので、うちのタレントとの絡みはNGで〟などですかねぇ。それを聞いて、局側が空気を読む感じ。ジャニー喜多川社長はお年を召していたこともあり、そういった文句や圧力などかける人ではありませんでした。ただ、わりと常に好戦的で上から目線なのは、藤島ジュリーさんとメリーさん、でしょうかね…..。小さなことでもクレームはすぐに入れる人なので、結構うちらの業界では恐らています、裏を返せば嫌われてるという意味なんですけどね(笑)」

それでは、雑誌や広告媒体の方ではどうだったのでしょう? 香取、稲垣、草なぎの3人に対する圧力はあったのでしょうか? 大手出版社の編集長はこう話します。

「私の知る限りはありませんでした。ただ、ジャニーズは昔から口うるさいことで有名で、対応をしくじると雑誌自体が1本飛んでしまうと言われてます。飛ぶというのはつまり、雑誌が廃刊に追い込まれるという意味です。うちではありませんけど、かつてジャニーズがよく表紙に登場し、特集記事が毎号載る人気アイドル誌が一冊飛びました。理由は、事務所に許可なく、キムタクの若い頃の写真を掲載したことだったとか。アイドル系雑誌は熾烈なバトルが水面下で繰り広げられていて、例えばキャラ被りというか、ジャニーズに似たようなボーイズグループで人気が出そう、またはすでにそれなりに人気のあるグループは、ジャニーズから潰されます。潰されるというのは、例えばDA PUMPが来月号の表紙を務めるという話が漏れてしまうと、ジャニーズ担当者からすかさず連絡があり、〝うちの嵐は多忙ですけど、全員揃っておたく様の撮影に対応できます。来月、新譜が出るのでタイミング的にはバッチリかと〟、こんな感じの逆オファーですね。当然、雑誌としては一部でも多く売りたいので、より人気者を表紙に起用したくなるのは無理はありません」(雑誌編集長)

別の雑誌編集者も、このように証言します。

「表紙のみならず、ジャニーズと雰囲気が似てるボーイズグループは、大体悔しい思いを過去にしてきたはず。4人体制だった頃のDA PUMP、3人組で歌もダンスも上手だったw-inds.、最近ですと東海地方在住で大人気のボイメン、彼らは日本レコード大賞を取って紅白出場が確実視されてましたが、2年連続で夢叶わず。ジャニーズにとって脅威となる実力派男性グループは、よっぽどの後ろ盾がないと難しい。仲の良い編集者やお抱えの記者に、どの雑誌で特集が組まれるか、そういう予定がないかと、ライバルグループの動きを先読みし、〝うちの**はいかがですか?〟と、ご提案して、ねじ伏せる。ジャニーズとの今後の付き合いを踏まえて、屈する雑誌も多いと聞いてます」(雑誌編集者)

今回の取材で判明したことは、なにも圧力は元SMAPに対してだけではないということです。言い方は悪いかもしれませんが、脅威となり得る人物やグループは、どんどん潰していくスタイル。これはビジネスなのか、それとも脅迫まがいの圧力なのか。

元SMAPの話からかなり脱線してしまいましたが、先ほど名前が出た名古屋を拠点に活動しているボイメン。代替わりして今にも崩壊しそうなジャニーズ事務所は創業者の死で余力を失い、また今回の公正取引委員会からの厳重注意で世間の目がますます厳しく向けられることが予想できます。ということは、今年こそボイメンの紅白出場、、、、、あると思います!(取材・文◎那目鯛子)

© TABLO