メルクとブロード研究所が革新奨励のCRISPRライセンス枠組み発表

メルクとブロード研究所が革新奨励のCRISPRライセンス枠組み発表

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【ダルムシュタット(ドイツ)2019年7月18日PR Newswire=共同通信JBN】
*新たな枠組みは、研究用のCRISPR知的財産の利用を簡素化して加速

大手科学・技術企業のメルク(Merck)(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2527359-2&h=2575758238&u=http%3A%2F%2Fwww.merckgroup.com%2F&a=Merck)とブロード研究所(Broad Institute of MIT and Harvard、米マサチューセッツ州ボストン)は18日、市場調査、製品開発に向けてそれぞれの管理の下、CRISPR知的財産(IP)を非独占的にライセンス供与することに合意したと発表した。

Video - https://mma.prnewswire.com/media/948315/Udit_Clip_Merck.mp4
Photo - https://mma.prnewswire.com/media/948313/CRISPR_Merck.jpg

メルクのウディット・バトラ取締役兼ライフサイエンス事業部門最高経営責任者(CEO)は「われわれはブロード研究所とともにCRISPR技術のライセス供与手続きを簡素化し、世界各国の研究・発見コミュニティーが幅広く利用できるようにする。この合意を通じて、これまで治療不能だった疾患の薬剤開発スケジュールを短縮し、顧客は容易に研究を成功させることができる」と語った。

ブロード研究所とメルクは、あらゆる組織が広範囲のCRISPRツールで技術適用を可能にする目標を共有している。科学者へのアクセスを合理化するため、ブロード研究所は内部調査の利用と市場調査ツールやキットとして、メルクとブロード研究所のCRISPR IPポートフォリオを潜在的被許諾者にライセンス供与する。研究開発活動にCRISPRを適用する企業はこの合意の下、ブロード研究所を通じてIPの両セットをライセンス使用できる。この枠組みは、ほかの主要特許保有者が将来、この枠組みか第三者の特許プールかコラボに参加できるようにして、基幹CRISPR技術の非独占的利用をさらに合理化する。

ブロード研究所のイッシ・ローゼン最高事業責任者(CBO)は「主なCRISPR特許保有者は結集して利用を簡素化、開放しなければならないし、この合意は重要な科学ツール利用の最大化、合理化に役立つパートナーシップの新たな例であると思っている。ブロード研究所はヒト治療薬を除いて、全申請者に非独占的にCRISPRライセンスをすでに供与している。われわれは基幹CRISPR知的財産に対する最も広範で簡素な利用を確実にするよう積極的に取り組んでいる」と語った。

ブロード研究所とメルクは協力して、以下のような枠組みを開発した。
(i)協力機関(ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ニューヨーク・ゲノム・センター、ニューヨーク大学、ロックフェラー大学、アイオワ大学研究財団、東京大学、ホワイトヘッド研究所など)と共有するブロード管理下IPの非独占的アクセスの提供継続
(ii)メルクIPの非独占的アクセス提供。動物モデル作成にメルクIP固有の一定の制限

▽ライセンス供与枠組みの特徴
*シグマ アルドリッチ(Sigma-Aldrich)(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2527359-2&h=1265313838&u=http%3A%2F%2Fwww.sigmaaldrich.com%2F&a=Sigma-Aldrich)ポートフォリオブランドで提供されるCRISPR技術のメルクIPは、ブロード研究所の長期にわたる慣習、要件に合致する限り、非営利の学術機関やビジネスコミュニティー、政府省庁が使用料免除で内部調査への利用が可能

*被許諾者は、臨床的なヒト生殖細胞の編集など一定のCRISPR技術適用を除外するブロード研究所とメルクの倫理的ライセンス供与条件に従う

*各機関はこの枠組み外で単独のライセンス提供継続が可能

*このライセンス供与枠組みはブロード研究所とメルクのIPに加えて、多数の協力機関(ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、ニューヨーク・ゲノム・センター、ニューヨーク大学、ロックフェラー大学、アイオワ大学研究財団、東京大学、ホワイトヘッド研究所など)と共有する一定のブロードIPを含む

ブロード研究所とメルクはそれぞれ、倫理的、法的な基準に十分配慮したゲノム編集研究をサポートするガイドラインを作成した。ブロード研究所はウェブサイト上で「institutional policies on IP licensing (IPライセンス供与の組織指針)」(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2527359-2&h=3451165141&u=https%3A%2F%2Fwww.broadinstitute.org%2Finforming-discussion%2Finstitutional-policies-ip-licensing&a=institutional+policies+on+IP+licensing)を概説している。メルクは独立した外部の「Bioethics Advisory(生命倫理助言)」(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2527359-2&h=2663965366&u=https%3A%2F%2Fwww.merckgroup.com%2Fen%2Fcr-report%2F2018%2Fbusiness-ethics%2Fbioethics.html&a=Advisory)パネルを設置し、ゲノム編集に関する、あるいはそれを使った研究を含むビジネス関与研究のガイダンスを提供、科学的、社会的問題を考慮する明確な運用上の立場(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2527359-2&h=3706968800&u=https%3A%2F%2Fwww.merckgroup.com%2Fcontent%2Fdam%2Fweb%2Fcorporate%2Fnon-images%2Fcompany%2Fresponsibility%2Fen%2Fregulations-and-guidelines%2Fgenome-editing-principle-EN.pdf&a=position)を定義して、研究、応用に使える有望な治療手段を伝えている。

Twitter(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2527359-2&h=2004610261&u=https%3A%2F%2Ftwitter.com%2FMerckgroup&a=Twitter)、Facebook(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2527359-2&h=1003411709&u=https%3A%2F%2Fwww.facebook.com%2Fmerckgroup%2F&a=Facebook)、LinkedIn(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2527359-2&h=969278704&u=https%3A%2F%2Fwww.linkedin.com%2Fcompany%2Fmerck-group%2F&a=LinkedIn)でメルクのフォローを。

▽ブロード研究所について
ブロード研究所(Broad Institute of MIT and Harvard)は2004年、医療を改革する当時の創造的科学者を奨励するため創設された。ブロード研究所は生命とそれに関連する分子成分全体を説明し、主要なヒト疾患の分子ベースを発見、効果的な診断と治療の新手法を開発し、発見、ツール、メソッド、データを科学コミュニティー全体に広めようとしている。

MIT、ハーバード、ハーバード関連病院、また、先見性あるロサンゼルスの篤志家エリ、エディス・L・ブロード夫妻によって設立されたブロード研究所は、MIT、ハーバード生物医学研究コミュニティー内外の教授陣、専門スタッフ、学生で構成され、協力関係は世界40カ国以上の100を超える官民機関に及ぶ。詳しい情報はhttp://www.broadinstitute.orgを参照。

メルクのニュースリリースは全て、公式ウェブサイト掲載と同時にeメール配信される。オンライン登録、選定の変更、サービス中止はwww.merckgroup.com/subscribe を参照。

▽メルクについて
メルク(Merck)は、医療、ライフサイエンス、高機能素材分野で事業展開する大手科学・技術企業である。約5万2000人の従業員がより楽しく持続可能な暮らし方を生み出すことで、何百万もの人々の生活に日々プラス変化をもたらすために働いている。遺伝子編集技術の推進や最も困難な疾患を治療するための独自の方法の発見から、インテリジェントなデバイスの実現まで、メルクは至るところにある。メルクは2018年、66カ国で148億ユーロの売り上げを達成した。

科学的調査と責任ある起業家精神がメルクの技術的、科学的進歩の鍵となってきた。1668年の創業以来、メルクはこのように繁栄してきた。創業家が今も、上場企業の株式の過半数を所有している。メルクは「メルク」の名称とブランドに対する世界的な権利を保有している。唯一の例外は米国とカナダで、その事業部門は、ヘルスケアではEMDセローノ(EMD Serono)として、ライフサイエンスではミリポアシグマ(MilliporeSigma)として、さらにEMDパフォーマンスマテリアルズ(EMD Performance Materials)として展開している。

ソース:Merck

▽問い合わせ先
markus.talanow@merckgroup.com
Phone: +49 6151 72-7144