諫早農 競り勝つ 中村完封 主将奥野が殊勲打

【2回戦、諫早農-瓊浦】7回表諫早農2死二、三塁、奥野の適時内野安打から悪送球の間に2走の新宮が2点目のホームイン=県営ビッグNスタジアム

 「“諫農旋風”を起こしたい」。主将の奥野がこう力を込めたように、快進撃を予感させる1勝になった。難敵、瓊浦との投手戦に競り勝って3回戦に進んだ諫早農。宮原監督は「こんなにうまくいくと思わなかった。攻撃に課題は残るが、非常に落ち着いて守れた」とチームをたたえた。
 昨夏の甲子園で準優勝した金足農(秋田)を連想させる紫色で胸に「KANNO」のユニホーム。宮原監督が「同じ農業高で、どんな環境でやっているのか見たかった」と昨秋、現地を訪れたのを機に、今年3月に一新した。もちろん格好だけではなく、選手たちは「金農のように」と必死に汗を流してきた。
 瓊浦とは春の県大会で対戦し、初回に2点を失った直後に7点を奪うなど乱戦を制した。だが、この日は一転してゼロ行進。入学時から体重も球速も10キロ増えた2年生中村が「ぐいぐい押した」と踏ん張り続けた。
 試合が動いたのは七回。後輩右腕をリードしてきた奥野が2死二、三塁で打席に立った。「楽にしてあげたかった」と直球に差し込まれながらも逆方向の三遊間に転がして、一塁ヘッドスライディングの適時内野安打。悪送球も絡んで2点を挙げ、完封劇を後押しした。
 次は6年ぶりの8強が懸かる。中村は「後ろには頼れる先輩ピッチャーも控えている。3年生のため、スタミナが切れるまで全力で投げ抜きたい」と闘志を燃やした。

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