杉野遥亮「スカム」インタビュー【後編】 小林勇貴監督にかけた電話を無視された理由は…?

杉野遥亮「スカム」インタビュー【後編】 小林勇貴監督にかけた電話を無視された理由は…?

放送中の連続ドラマ「スカム」(MBS/TBS)で、葛藤しながらも振り込め詐欺師としてのし上がっていく若者・草野誠実役を演じる杉野遥亮さん。インタビュー後編では、小林勇貴監督とのエピソードや、この夏挑戦したいことなどをお聞きしました。(【前編】はこちら)

■「『監督、絶対起きてるのに寝たふりしたな』って思って(笑)」

──台本を読ませていただいたのですが、スリリングな展開やスピード感がどのように映像に反映されるのか楽しみだと感じました。一方、短期間での撮影ということもあり、1日の終わりにはかなり疲れていたのではないでしょうか…?

「(スタッフの方を見て)どう見えてました?(笑)。結構エネルギーを使ったので、割とぐったりしてたかもしれないです。現場にいる最中は気を張っているんですけど、終わった後にすごくエネルギーを使ったことに気付いてぐったりすることはありました。でもそれは現場で生まれるものが作品に反映されるんだなって手応えがあったので、いい疲れが出ていたんだと思います」

──小林監督からの言葉で、印象に残っているものはありますか?

「撮影が終わって監督と話していた時に、『誠実がここでこうしたいって思う気持ちと、俺が誠実をこう見せたいっていう気持ちがほとんどリンクしてた』と言っていただけて。現場でしっかり会話して作っていくというわけでもなくお互い撮影に臨んでいたんですけど、そう言っていただけたのはうれしかったです」

──言葉を交わさずとも、監督との共通認識が育まれていたんですね。

「それが顕著にあったのが、次の日の撮影のために監督に電話をした時のことなんですけど、自分の中で気持ちの確認をしたかったり、あとちょっとした相談というか、話をしたくて電話をかけたんです。でも、出てくれなくて。僕は『監督、絶対起きてるのに寝たふりしたな』って思って(笑)。翌日現場で聞いたらやっぱりそうで、しかも『そこからTwitterの更新もやめた』って言われて、すごく計算した上での寝たふりだったんですよ(笑)。ただそれにはちゃんと理由があって、その日撮るシーンは『現場で自分が感じたことを演じてほしいから出なかった』って言ってくださったんです。その言葉を聞いて、僕は話をしたかったというよりはどこか安心したかったんだなって思ったし、監督が正直に言ってくれたこともうれしかったです。僕の気持ちを分かってもらえてたんだな、それを知った上での無視だったんだなって思いました」

──小林監督というと「暴力」「不良」「殺人事件」などをテーマにしたバイオレンスな映画を得意とする印象ですが、杉野さんから見た小林監督はどのような方ですか?

「最初の打ち合わせで初めてお会いした時に『押忍!』みたいな、(任侠映画でよくありそうな)あいさつをされて、『マジ!?』って思いました(笑)。でも日を追っていくごとにピュアな部分が見えてきて、赤ちゃんみたいな人だなって。例えば初めて2人でごはんに行きましょうってなった時も、僕は居酒屋とかでいいのに、個室で正座して座るようなお店で(笑)。衝撃でした。でも面白い人だなって思ったんです。現場では自分の感情が先に動いちゃって言葉がついてこない場面もあったりして、そんな姿を見てピュアだなって思ったし、それを見て一緒に頑張りたいって思える監督でした。またご一緒したいって強く思います」

──先ほど「誠実が(詐欺グループに)心を動かされたというのはすごく分かります」とおっしゃっていましたが、このドラマを通して伝えたいのはどのようなことでしょうか。

「誠実のような立場に置かれている人を通して、詐欺に対しての犯罪意識を明確に持ってほしいなと思います。ただそれと同時に、詐欺に手を染めたことで誠実がのびのびしたり、生きているって実感するのも事実としてあって。あんまり良くはない道だったかもしれないけど、そこで刹那的なきらめきを発揮している誠実を僕は否定できないし、むしろ肯定できるなって思うんです。誠実が何に心を動かされたかというのは直接的に映し出されるわけではないのですが、それぞれいろんな捉え方をしながら見ていただいて、その時に感じたことが強く残ればいいなと思います」

■ハマっていると言いすぎて「他のにしましょう」!?

──リーマンショックの翌年、2009年が舞台ですが、その頃は何をしていましたか?

「中学1、2年生かな? 中学1年生の頃は、部活と塾と学校を行き来する毎日でした。部活はバスケットボールをやっていて、ちょうど今の時期かな(※取材は6月末に実施)、先輩が県大会で準優勝して、関東大会に向けてみんなで練習していた時期でした。1年生だったんで、ほぼ応援ですけど(笑)。バスケは小学校5年生から、高校を卒業するまで7~8年してましたね」

──その頃と今とでは、性格は変わりましたか?

「いろいろな変化がありましたね。中学の頃は、反抗期もあって割と前に出るのが恥ずかしくなり始めた時期でした。学校でもみんなの前に出るのが恥ずかしいタイプで、クラスの中ではリーダーというよりも、人並みに勉強もして、スポーツもやって…っていう普通の中学生でした」

──誠実はどんどん詐欺にのめり込んでいきますが、杉野さんが今熱中していることは何ですか?

「うーん…。(しばらく間があって)掃除?(笑)」

──「蒙古タンメン」とお答えになるのかなと思っていました(笑)。

「本当は蒙古タンメンなんですけど、言いすぎて『他のにしましょう』って言われているので(笑)。でも本当に掃除はしまくってます! 撮影期間中、留守にすることも多かったので洗濯物もたまってるし、部屋も散らかってきて…。そうなると一から奇麗にしたくなって、今は家の中をひたすら掃除してます。ホコリとか毛1本でも落としたくなくなっちゃうんです」

──以前、中川大志さんに取材させていただいた際(https://www.tvguide.or.jp/feature/specialinterview/20190326/02.html)にも、全く同じことをおっしゃっていました。

「でも、キリないですよね~(笑)」

──このドラマの放送は7~8月ですが、この夏、何かしてみたいことはありますか?

「本当は、プールとか海に行きたい(笑)。でもなかなか行けないので。撮影中に、前野朋哉さんがサウナの入浴法を教えてくださったんです。マイナス10℃くらいの冷凍サウナっていうのがあるらしくて、そこに行ってみたいなって思ってます。前に一度サウナに行ってみたら体が軽くなったように思えたので、冷凍サウナも試したいなって。暑いのが苦手なので、今年の夏は冷凍サウナで乗り切りたいです」

──では最後に、本作はお金を扱う場面の多い作品ですが、貯金や節約など、杉野さんがお金に関して意識していることはありますか?

「僕、お金にこだわりがあんまりないんです! でも、財布の中に入れるお札の向きを同じにするのは癖でやってます。お金が舞い込んでくるって言いますよね? 財布もいただきものでこだわりもないし…それくらいです(笑)」

【プロフィール】


杉野遥亮(すぎの ようすけ)
1995年9月18日生まれ。千葉県出身。おとめ座。O型。2015年、雑誌「FINEBOYS」(日之出出版)の専属モデルオーディションでグランプリを受賞。映画「キセキ -あの日のソビト-」で俳優デビュー。主な出演作は、映画「兄に愛されすぎて困ってます」「覆面系ノイズ」「あのコの、トリコ。」「春待つ僕ら」「L♡DK ひとつ屋根の下、『スキ』がふたつ。」、ドラマ「ゼロ 一獲千金ゲーム」(日本テレビ系)、「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系)、「新しい王様」(TBSほか)、「ミストレス~女たちの秘密~」(NHK)など。11月29日公開予定の映画「羊とオオカミの恋と殺人」では、福原遥と共にダブル主演を務める。

【番組情報】


「スカム」
MBS 日曜 深夜0:50~1:20
TBS 火曜 深夜1:28~1:58
※放送時間は変更の場合あり

【プレゼント】


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https://twitter.com/internettvg/status/1152044827489341440?s=21
さらに、ツイート内のリンクをクリックし、必要事項を入力してください。

●締め切り:2019年8月13日(火)正午

●発表方法:当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。あらかじめご了承ください。

取材・文/宮下毬菜(TBS・MBS担当) 撮影/尾崎篤志

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