DeNA山崎、史上最年少150S 岩瀬、佐々木…15人の“絶対的守護神”を振り返る

DeNA・山崎康晃【写真:荒川祐史】

17日の広島戦で史上15人目の150セーブをマーク、26歳9か月での達成は史上最年少

 7月17日の広島戦でDeNAの山崎康晃投手は史上15人目の150セーブを達成した。26歳9か月での達成は史上最年少だった。

 山崎は亜細亜大から2014年ドラフト1位でDeNAに入団。有原航平(現日本ハム)の外れ1位だったが、1年目からクローザーとして活躍してきた。

 過去の150セーブ達成者を達成順に並べる。()は達成年齢。登板数は150セーブ時点。通算セーブ数、ホールド数、先発数もつける。

1江夏豊1982年9月26日(34歳4か月)757登板
通算193SV 299先発

2佐々木主浩1997年8月7日(31歳5か月)315登板
通算252SV 1HD 8先発

3高津臣吾2000年9月6日(31歳11か月)378登板
通算286SV 8HD 17先発

4小林雅英2005年5月17日(30歳11か月)312登板
通算228SV 4HD 13先発

5豊田清2007年4月11日(36歳2か月)370登板
通算157SV 81HD 82先発

6岩瀬仁紀2007年9月9日(33歳9か月)521登板
通算407SV 82HD 1先発

7永川勝浩2009年8月1日(28歳7か月)336登板
通算165SV 79HD 4先発

8クルーン2009年9月19日(36歳5か月)250登板
通算177SV 19HD 0先発

9馬原孝浩2010年7月28日(28歳7か月)267登板
通算182SV 47HD 14先発

10藤川球児2010年9月5日(30歳1か月)434登板
通算225SV 139HD 19先発

11武田久2013年7月10日(34歳10か月)490登板
通算167SV 107HD 0先発

12サファテ2016年5月31日(35歳1か月)315登板
通算234SV 48HD 0先発

13平野佳寿2017年8月27日(33歳5か月)536登板
通算156SV 139HD 68先発

14増井浩俊2019年4月19日(34歳11か月)473登板
通算163SV 138HD 21先発

15山崎康晃2019年7月17日(26歳9か月)275登板
通算150SV 33HD 0先発

DeNA山崎は先発登板は1度もない“生粋のクローザー”

 150セーブは江夏豊が達成してから15年近くも2人目の達成者が出なかった。この間に、先発、救援の分業が進んだ。佐々木主浩以後20年余で14人が150セーブを達成している。

 多く場合、投手は入団当初は先発や中継ぎなどに起用され、適性を見極められてクローザーに抜擢される。NPB最多セーブの岩瀬仁紀も最初は中継ぎで起用され、2年目には先発もあった。藤川球児も「勝利の方程式JFK」ができた時はセットアッパーだった。それ以前には先発投手を経験している。

 しかし、山崎はプロ初登板が2015年3月28日巨人戦の9回。初セーブは3日後の3月31日。最初からクローザーだったのだ。これは極めて異例だ。もともとクローザーでの起用が決まっていた三上朋也が故障し、中畑清監督(当時)が抜擢したからだが、山崎はその起用に見事に応えたのだ。

 だから150セーブまでの所要登板数もクルーン(250登板)、馬原孝浩(266登板)に次ぐ277登板と非常に少ない。もちろん、先発登板は1試合もない。

 山崎は、2017年の一時期パットンと役割を交代し、セットアッパーになったが、再びクローザーに復帰。以後、絶対的な「守護神」として活躍している。「生粋のクローザー」、山崎康晃はどこまでセーブ数を伸ばすだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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